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維新・足立議員 「死ね」「犯罪者」で問われる国会議員の資格

2017年11月17日 10:10

0-足立5-2.png 日本維新の会の足立康史衆議院議員(右の写真)が、ツイッターに「朝日新聞、死ね」と書き込んだ。学校法人「加計学園」の獣医学部が認可されたことを受けて、朝日が掲載した「これで落着とはならぬ」と題する社説に過剰反応した形。加計疑惑をめぐる朝日の報道を“ねつ造”と主張する足立議員にとっては我慢ならない一文なのだろうが、言葉の過激さに品性を疑う。
 このセンセイ、加計問題を批判的にとらえている人間はすべて敵とみなしているらしく、加計の獣医学部新設問題について審議した15日の衆院文部科学委員会では、疑惑を追及している立憲民主党と希望の党の幹部、さらには国家戦略特区の獣医学部認定過程に疑問を呈した自民党の石破茂元幹事長まで「犯罪者」と指弾した。
 気に入らない相手を「死ね」「犯罪者」と攻撃する国会議員に、言論の府の一員としての資格があるのか?

■「朝日、死ね」
 朝日新聞は今月11日、加計学園の獣医学部が文部科学省に認可されたことを受けて、《「加計」開学へ これで落着とはならぬ》と題する社説を掲載。足立氏は、その日のうちに、ツイッター上で「朝日、死ね」と書き込んでいた(下が足立氏の書き込み画面)。

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 言論の自由はある。しかし、国会議員が新聞社に「死ね」と言うのは報道への圧力。子供に、発言の正当性を説明することもできまい。足立氏がどう強弁しようと、妥当な発言ではない。だが、「死ね」が物議を醸す状況となっても足立議員に反省の色は皆無。ツイッター上で発言撤回の条件として挙げたのは、朝日新聞が、一連の加計学園報道と山尾志桜里議員が「保育園落ちた日本死ね!!!」と題したブログを国会で取り上げた時の報道を撤回、謝罪することだった(下が、そのツイッターの画面)。本気で自らの“暴言”と新聞報道を同列に論じているのだとすれば、このセンセイの思考回路は寸断されていると言うしかない。

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 初めから発言撤回の意思などないことは明らか。《言葉遣いについては、私も適切であったとは思っていません》と一応反省する姿勢を見せながら、《しかし》で一転、《「日本死ね」が許容される国会の現状、それが流行語大賞に選ばれるメディアに対する“異議申し立て”として、敢えて使わせていただいた。民進あほ、を繰り返すのと同じように、問題提起の一つの方法としてご容赦をいただきたい》と、身勝手な主張を行っていた。

 昨年話題になった「保育園落ちた日本死ね!!!」は、保育園の入所選考に落ちた母親が書いたブログの一文。「一億総活躍」だの「夢を紡ぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」だのと叫ぶ首相が強大な権力をふるう中、保育園に入れない子どもが増える一方となっている現実に対する悲痛な叫びだった。「日本死ね」は、国への絶望を簡潔に示した一語。言葉の荒さは気になったが、子供を持つ多くの母親から共感の声が上がったのは確かだ。国会が許容するとかしないとかの問題ではなく、子育て支援は取り組むべき当然の課題だろう。

 方や足立氏の「朝日、死ね」は、同氏や極右が持つ朝日新聞への偏見に基づく一語。「保育園落ちた」と同列に論じることは、自らの不見識を宣伝するようなものだ。そもそも、国会議員が異議申し立てや問題提起をするのなら、公の場で堂々と論じればよい。もちろん、屁理屈ではなく、理路整然とした言説を以てである。

 書き込みの中にある《民進あほ》は、昨年4月に足立議員が衆議院総務委員会で連発した「民進党はあほじゃないか。あほです。あほ」「こんな政党は日本の恥だ。あほ、ばか」などという暴言のことだろう。世論の批判を浴びた後も、「『あほ』がダメなら『日本死ね』はいいのか」などと繰り返していたところを見ると、足立氏は、自らの暴言が社会問題化するのを狙っているように思える。“炎上商法”ということだ。まともな議論ができない人物がいることで、『言論の府』への信頼は失せる一方となる。

■「犯罪者」
 「朝日、死ね」が問題視されても、足立氏の暴走は止まらない。今度は加計学園の獣医学部新設問題が審議された15日の衆院文部科学委員会で、立憲民主党の福山哲郎幹事長と希望の党の玉木雄一郎代表、さらには自民党の石破茂元幹事長を名指しして「犯罪者」と決めつけた。福山氏と玉木氏が獣医師会から献金を受けており、請託を受けてあっせんをしたり、国会で質問したりすれば、あっせん収賄などの罪にあたるという主張だ。国家戦略特区の獣医学部認可に懐疑的な発言をしてきた石破元幹事長については、「受託収賄、様々な疑惑が取り沙汰されている」――。犯罪と断定することのできる証拠も示さず、一人で判決を下した格好となった。ちなみに、足立氏は元経済産業省の官僚。弁護士資格を持っているわけではない。

 足立氏は、ツイッターへの14日の投稿で、こうも述べている。《おいおい(怒)。自分のねつ造報道で拡大した風評を自ら取り上げ、「あの「総理のご意向」をめぐる疑い」としゃあしゃあと繰り返し、まるで安倍総理が「どうせ国民は忘れる」と高をくくってるかのように印象操作を繰り返す。これが、私が「考え得る最も厳しい言葉で非難した」(毎日新聞)背景である(下の画面参照)。印象操作しているのは、どちらか……。

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■だんまり決め込む橋下氏
 維新関係者の言葉の荒さは、創業者譲り。橋下徹元大阪市長は最近、ツイッターで党の運営に意見した若手議員に激怒し、「ボケ!」を連発した。批判した相手を口汚く罵るのが橋下流だが、この折同氏は若手議員に対し「言葉遣いから学べ、ボケ!」と書き込んでいた。なぜ足立氏の「朝日、死ね」や「犯罪者」に対しては反応しないのか?気に入らない相手には厳しく、お気に入りには寛容では、安倍首相と同じ行動パターンということになる。



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