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日本維新の脱法行為 ペーパー団体使って交付金ロンダリング

2016年12月 1日 08:00

1-表紙なんば.jpg 安保法やTPPといった重要法案の採決で、ことごとく政府与党の側に立つ日本維新の会(代表:松井一郎大阪府知事)。野党というより政権の補完勢力。「自民党の別働隊」と言った方が分かりやすい状況だ。
 橋下徹氏の政界引退ですっかり影が薄くなった維新だが、25日に総務省が公表した27年分の政治資金収支報告書から、同党が行っていた“交付金ロンダリング”の実態が浮き彫りとなった。

ペーパー団体「なんば維新」で1億円還流
 日本維新の会は、「旧・維新の党」が分裂してできた政党。分裂後、「おおさか維新の会」として活動していたが、参院選を経て「日本維新の会」へと党名を変更している。同党の交付金ロンダリングについては今年2月、配信記事≪おおさか維新“交付金ロンダリング”の実態≫において、その手口を報じていた。

 昨年12月に旧維新所属議員の政党支部に交付された政党交付金のうち、おおさか維新に参加した議員らの支部が受け取った交付金の残額が、ペーパー団体を使って、議員側に還流していたというもの。残額の国への返納を逃れたことで、「維新の党を解党して政党交付金を国に返す」としていた橋下徹前大阪市長の主張が、事実上反故にされた形となっていた。交付金は使途に縛りがあるカネだが、議員側に還流したことで使い道自由の政治資金に化けていたことも判明。“交付金ロンダリング”の手法に、同党内部からも疑問の声が出ていた。

 政党交付金を所管する総務省によれば、旧維新の党に支給された平成27年分の政党交付金は26億6,000万円。4月、7月、10月、12月の4回に分けて同党の口座に振り込まれたが、分裂騒ぎを受けた銀行が旧維新の口座を凍結したことで、一定期間、所属議員の政党支部に交付金の振り込みができない事態に――。ドタバタのあげく、同年12月8日に「維新の党の将来的な解党」「人件費など党運営に必要な経費を除いた政党交付金の国庫返納」などで党内合意。これを受けて同月18日、各議員の支部の口座に政党交付金500万円が振り込まれていた。下は、今月25日に総務省が公表した旧維新の政治資金収支報告書の一部。12月18日、大半の支部に500万円が分配されていたことが分かる。

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 旧維新は、おおさか系の議員が離党する形で解党。離党した議員の場合、法の規定により支部の解散が必要で、年内の清算が必要となる。そこで使い切れなかった交付金が国庫に返納されるはずだったが、おおさか維新側に渡った交付金の残りが国庫に戻されることはなかった。

 おおさか維新側は、総務省届出の「なんば維新」(所在地は「おおさか維新の会」本部と同じ)という政治団体を設立。各支部に残った交付金をいったん「なんば維新」に寄付の形で集約し、年を越してから新設の支部に“返金”していたのである。「なんば維新」はペーパー団体。政治活動は行っておらず、旧維新各支部の交付金を、使途自由のカネに変えるための装置に過ぎない。下が、公表されたなんば維新の政治資金収支報告書である。

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 なんば維新への寄付を行ったのは26支部。支部解散にあたっては、政党助成法の規定で1円の交付金も残せない決まりだったため、なんば維新への寄付額は1円単位となっていた。最も少ない額で「維新の党 宮崎県支部」が60,083円を、最高は同党参議院兵庫県選挙区第1支部が1,949万5円を「なんば維新」に寄附していた。総額で9,906万6,983円に上る。関係者の話から、なんば維新への各支部の寄付金が、28年に入り新たに設立されたおおさか維新の各支部に、そっくり返金されていたことが分かっている。国庫返納どころか、交付金ロンダリング。ペーパー団体を使った脱法行為に、批判の声が上がりそうだ。



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