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歪むニッポン 安倍晋三を賛美する極右雑誌の氾濫

2018年9月20日 07:50

KIMG0155.JPG 20日投開票の総裁選を巡り、主要メディアに「公平・公正」な報道を求める文書を送り付け、露骨な圧力をかける安倍自民党。その一方で、安倍を賛美し、総裁選の対抗馬である石破茂氏を誹謗・中傷する雑誌の出版が相次いでいる。
 7日の総裁選告示以来、安倍シンパとみられる雑誌が新聞に出した広告の内容は、極右のビラと見紛うばかりの酷いもの。“顕著な右傾化”で片付けられるほど、甘い状況ではない。

■暴走するHanada、WiLL、正論
 第2次安倍政権発足以前の新聞広告に、ここまで醜い雑誌の広告はなかったはずだ。自民党の総裁選がか告示された今月7日には、「月刊Hanada セレクション」が、その数日後には「月刊WiLL」が、相次いで安倍の援護射撃を行った。

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 Hanadaの広告の真ん中には『安倍総理と日本を変える』。安倍氏本人の“独白”をトップに、櫻井よしこ、百田尚樹、小川榮太郎など極右のエセ言論人による安倍を賛美する記事の紹介が並ぶ。

 Willも同じような構成だが、こちらのトップは首相側に毎年政治献金している金美齢氏の安倍賛美。『ポスト安部は安倍‼」と、読む方が恥ずかしくなるような特集のタイトルだ。

 驚いたことに、その横に並べているのは総裁候補・石破茂氏に関する特集の紹介で、「国を亡ぼす危険人物」「絶対総理にしてはいけない男」という見出し。言論の自由があるとはいえ、これは単なる誹謗中傷に過ぎまい。

 笑ってしまったのは「日本よ、歴史をとり戻せ!」なる百田氏と櫻井氏の対談のタイトル。南京虐殺や従軍慰安婦などを、なかったことにしようとしてきた両人が歴史の改竄者であることは疑う余地がないが、いったい何をとり戻せというのだろう。そもそも、この国が歴史を失ったことなどただの一度もないのだから、ばかばかしくて記事を読む気にもならない。

 書店をのぞいてみたところ、WiLLが数冊あるがHanadaは見当たらない。代わりに、月刊誌「正論」が置いてあった。政権の犬・産経が発行している雑誌だけに、右寄りであることは確か。「安部」の2文字が目立つような表紙の構成になっていた。

■極右をのさばらせる自民党のご都合主義
 “言論の自由”は確かにある。雑誌が広告を出すのも自由だ。しかし、「ジャーナリスト」を自称する人間や影響力のあるベストセラー作家が、権力を無批判に持ち上げ、でっち上げを垂れ流すことが許されるとは思えない。相手にされないのをいいことに、朝日や野党を攻撃し続ける姿勢にも、問題ありだ。

 ある地方紙の記者は、問題の新聞広告をながめながら、ため息交じりにこう話す。
「まるで右翼団体のビラ。安倍政権以前は、こんな酷い広告はなかった。政権に批判的な朝日や野党には厳しくあたり、最高権力者を最大級の誉め言葉で持ち上げるというのは、戦前の政治ゴロと同じ発想。こんな広告がまかり通る世の中は、やはり歪んでいるというべきでしょう。正直、恐ろしい」

 大手メディアに総裁選報道の「公平・公正」を要求した自民党だが、こうした右翼雑誌の広告や記事は放置している。ご都合主義も、歪んだ権力の証左ではあるが……。



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