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「国体の仕事やらないぞ!」で女性社員恫喝 三反園鹿児島県知事の悪質パワハラ明らかに
県庁内でも被害者続出

2018年8月 6日 07:05

三反園.jpg 三反園訓鹿児島県知事(写真)が、訪問先のブラジルで開かれた県人会主催の懇談会で旅行会社の女性社員を怒鳴りつけた問題を巡り、新たな事実が明らかとなった。
 鹿児島県関係者の話によれば、閉会間近となっていた懇談会の進行状況に怒った知事は、これまで分かっていた「誰が締めろと言ったんだ!〇〇、お前か!」に続いて、女性社員の所属する会社名を挙げ、県が主催する行事から外すことを示唆して恫喝していた。地位と職権を笠に着た、醜いパワーハラスメント。県政トップの犯罪的行為に、改めて批判の声が上がりそうだ。

■恫喝には続きがあった
 問題の“事件”は、7月20日にブラジル・サンパウロで開かれたブラジル鹿児島県人会主催の夕食懇談会で起きた。三反園氏は懇談会の間中、携帯電話を持って会場を出たり入ったりしていたとされ、閉会間近になっても姿が見えなかったという。やむなく県議会議長が締めくくりの挨拶をしていたところ、会場に戻ってきた三反園氏が、いきなり旅行会社の女性社員を指さしながら怒鳴りつけた。

 「誰が締めろと言ったんだ!〇〇、お前か!」。凄まじい剣幕で大声を上げ、こう続けていた。「国体の仕事はJTBにはやらないぞ!」――。和やかなムードは吹っ飛び、凍りつく会場。女性社員は震えながら泣いていたという。

ふきだし知事.jpg

 思いもよらぬ展開に挨拶を中断していた県議会議長は、訪問団のメンバーに促され話をつづけたが、会場は異常な雰囲気に包まれたまま懇談会を閉会していた。三反園知事の異常行動に呆れたのか、7月30日に知事の資金管理団体が開いた政治資金パーティーの発起人になっていた県議会議長は、パーティー出席を取り止めている。

■犯罪的なパワハラ 会見釈明は真っ赤なウソ
 県ブラジル訪問団の旅程管理業務を委託されていたのは大手旅行会社のJTB。知事に恫喝された女性社員は、同社の添乗員だった。直属の部下でもない一般企業の女性を呼び捨てにした上、県発注業務から締め出すことを示唆しながらの恫喝。三反園知事の行為は、テレビドラマに出てくる醜い権力者の姿そのままだ。

 鹿児島国体は2020年に開催予定だが、委託業務はすべて入札で業者を決めるもの。知事とはいえ、「あそこは入れない、ここを入れろ」と公平公正を崩すことは許されまい。私怨で業者を外せば、ただの入札妨害である。「国体の仕事はJTBにはやらないぞ!」という知事の発言は、発注権者の立場を盾にした脅し。悪質なパワハラと言うべきだろう。

 ブラジルでの暴挙が報じられた先月31日、緊急会見を開いた三反園知事は「公務の電話で中座し、戻って来たときに閉会になったので驚いて『なんで(懇親会を)締めるの』と大きな声で言った。叱責した認識はない」「意思の疎通や確認が足らず、食い違いがあった」などと釈明していたが、“仕事はやらない”発言については沈黙していた。会見での釈明は、保身のための真っ赤なウソだった。

 ある県の関係者は、次のように話している。
「知事は性格異常なのではないか。大勢の前で人を怒鳴り上げるなんて、一般社会でも考えられない。何様のつもりなのか知らないが、国体の仕事を引き合いに出した恫喝は、まるでヤクザ。鹿児島県人の恥だ。知事は、脅した女性とJTBに正式に謝罪するべきだ。もちろん、懇談会を開いてくれたブラジル鹿児島県人会にもお詫びしなければならない。パワハラは、事例によっては犯罪になることもある。女性を呼び捨てにして恫喝した以上、その女性の心の傷は消えない。平気で人を傷つける人間が政治家と言えるのか!この際、三反園さんは潔く辞職するべきだろう」

 2016年の鹿児島県知事選挙で三反園氏を応援したというある女性経営者も、憤りを隠せない。
「暴言を吐いたのは県知事。女性添乗員は言い返せない立場でしょう。自分の部下でもないその人を呼び捨てにするのは、三反園という男が、女性を見下しているということ。おそらく、弱い立場の男性にも同じような行為を繰り返しているんでしょう。最低。ブラジルでのことだから、バレないと思っていたんでしょうね。三反園訓は、恐ろしい人物かもしれない」

パワハラで休職する職員も
 三反園知事のパワハラは、県庁内では誰もが知る事実。事あるごとに罵声を浴びせる三反園氏に怯え、精神的におかしくなる職員も――。県関係者の話によれば、知事のパワハラに耐えかねて、複数の部署で何人も職員が休職する事態になっているという。



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