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安倍首相が豪雨被災地を「手抜き」視察~20万円のスイートルームで3選対策に躍起

2018年8月10日 10:42

20180810_h01-04.jpg 7月5日、安倍首相を筆頭に自民党首脳陣がバカ騒ぎを繰り広げていた「赤坂自民亭」の夜。ちょうどそのころ、西日本各地を襲った豪雨が甚大な被害をもたらし始めていた。安倍首相の大好きな言葉、「危機管理」をこれほど無視、軽視したふるまいは無く、被災者感情を逆なでする愚行なのは明らかだ。

 野党から批判の声が上がるのは当然だが、赤坂自民亭に参加していた小野寺五典防衛相は「(赤坂自民亭から)その都度指示を出していた」と釈明。しかし、当の防衛省から「指示は出していない」とハシゴをはずされ、赤っ恥をかいている。
(写真は熊野町民体育館を出る安倍首相)

■赤坂自民亭には目をつぶって野党批判、の産経新聞
 この赤坂自民亭をめぐっては、いまや『虚構新聞』と肩を並べたと言われる、〝「虚報」に基づいたいいがかりで沖縄地元紙に喧嘩を売り、あげくに「おわびと記事の削除」に追い込まれた「自民党広報紙」〟の『産経新聞』が、またも政権擁護のために迷走している。
 産経が力を入れるネット記事で編集委員の阿比留瑠比氏が、野党に対して「言いがかり」的批判を展開しているのだ。

 いわく、「確かに、気象庁は5日午後2時の記者会見で『西日本と東日本では、記録的な大雨となるおそれがあります』と発表していた。ただ、安倍首相が赤坂自民亭に参加した午後8時半時点で、特に大きな被害が報告されていたわけではない」(阿比留瑠比の極言御免/7月19日)のだとか。

 要するに、阿比留氏は「特に大きな被害」が報告されなければ、被害が予想される豪雨であってもバカ騒ぎをとりやめるべきでないと言いたいのだろうか。では、なぜ小野寺防衛相は「宴席からでも指示はしていた」と嘘をついたのか。さらに、バカ騒ぎに参加した自民党首脳から「不適切だった」と釈明が相次いでいるのはなぜなのか。阿比留氏同様に「何が問題なんだ!」と開き直ればよいではないか。

 阿比留氏は、福岡市内で県立御三家のひとつ「県立筑紫丘高校」通称「ガオカ」の出身だという。ガオカを出てこの程度なのか……とため息をつきたくなるのはとりあえず置く。被災者がこの記事を読んでどう思うか、という想像力すら働かないとすれば「記者失格」と、僭越ながら引退勧告しておきたい。

■被災地視察は「実質2時間」ほど
 産経新聞につきあうのが主題ではないので、話を戻す。安倍首相は8月5日、被災地を視察するために広島入りしている。
 朝日新聞によると、「熊野町の避難所、呉市の行方不明者の捜索現場や応急仮設住宅の建設地を視察。記者団に『広範な地域で甚大な被害が発生した今回の豪雨災害で見えてきた課題を踏まえ、万全な災害対応に全力を尽くす』と述べた」のだという。

 しかし実際の日程を見れば、記事から伝わってくるような「真剣さ」を裏付ける行動はどこにもないことがわかる。独自に入手した視察日程表をもとに、問題点を指摘しよう。

(1) 「超社長出勤」の安倍首相
20180810_h01-01.jpg 安倍首相が広島入りの移動手段として選んだのは、自衛隊機だった。午前11時15分、羽田発の自衛隊機に乗り込み、空路で広島入りした。

 王様待遇してほしいのであれば民間機のVIP席でも可能なはずなのに、あえて自衛隊機を選んだことについては、ある憶測を呼んでいる。ズバリ、「健康不安」説だ。
 第一次安倍内閣退陣(2007年)のきっかけとなった、持病の「潰瘍性大腸炎」の悪夢がよぎるのか、3選を盤石にしたい安倍首相にとって唯一といっていい不安材料が、自身の健康状態なのだ。
「自衛隊機の中で、点滴を受けながら休養していたのではないか、ともっぱらの噂です」(週刊誌記者)

(2) 被災地視察時間はたったの4時間
 午後0時45分ごろに自衛隊機が広島空港に着陸すると、安倍首相はあわただしく移動を繰り返す。12時50分にバスで広島空港を出ると、「東広島市被災地現場視察」(午後1時10分着)を皮切りに約4時間で5カ所の被災地をまわった。日程表の最後にある「呉市天応応急仮設住宅建設地」はなぜかパスしており、バスでの移動時間を除くと、約2時間程度しか現場視察に割いていないことになる。

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関係者やマスコミを引き連れて大名行列@被災地

(3) 午後5時ごろに視察を切り上げ、午後6時ごろに「グランドプリンスホテル広島」到着
 スケジュール表には、「同行記者(時事通信と共同通信を除く)は解散」とある。
 ある地方紙記者によると、「ホテル内で、時事・共同の番記者と懇談したようです」とのこと。こういった特別待遇が、「バンキシャ」の特権意識をつくりあげていくのだろう。

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宿泊先のグランドプリンスホテル広島(広島市南区)。
公式サイトによると、「空と海に囲まれたアーバンリゾート」
だそうだ
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被災地視察(広島県)のスケジュール

(4) 岸田文雄政調会長と、ホテル22階『ステーキ&シーフード ボストン』で会食
 午後7時30分、岸田文雄政調会長がホテルに入った。岸田氏はホテル22階の『ステーキ&シーフード ボストン』へ直行。ある記者が22階に上がろうとすると、ホテル従業員から「今日はやっていません」と拒否された。店は電話での問い合わせに対し、「満席で入れません。店内を見ることもできません」とにべもない。2人だけで、よっぽど聞かれたくない話でもしていたのか。

(5) 安倍首相は、一泊20万円のスイートルームでご満悦
 ホテル従業員によると、安倍首相が泊まったのは、「一泊20万円のスイートルーム」だという。昼間、被災地の惨状や避難所を見たうえでこの部屋に泊まったのだから、この男、じつは強靭なメンタルの持ち主なのかもしれない。

■被災地対策よりも、自身の3選対策に必死
 結局、豪雨災害対応よりも総裁選対応を優先したのは明白だ。

 今回の豪雨被害について、野呂川ダム(呉市)がルール違反の大量放流を行ったせいで下流域の水害被害が拡大した可能性が高いとみられているが、安倍首相は最後の視察地からたった10キロ先の野呂川ダムや下流域の水害被災地を訪問もしなかった。

 しかも安倍首相は赤坂自民亭のバカ騒ぎで初動が遅れ、ダムの事前放流をさせずに無為無策で1日以上を過ごしている。そのせいでダムが満杯になり、大量放流につながったとすれば、極めて重大な職務怠慢といえるだろう。

 被災者をほったらかしにして、まだ日が高い午後5時すぎに高級ホテルに入り、高級レストランで岸田政調会長と総裁選対策に精を出す。見せかけだけの、「手抜き」視察であったことは明らかだ。

 危機管理どころか被災者に寄り添うこともできないのであれば、愛妻と手を取り合って療養生活でも送ってはいかがか。「安倍首相の退陣」、この国の危機管理はそれに尽きるのだ。

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被災者用のテントが並ぶ、熊野町民体育館(安芸郡)



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