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逃げる気か、安倍晋三!

2018年8月 7日 07:35

DSC05880.JPG 「逃げる気か、朝日新聞!」――。書店の店頭で偶然見かけた「月刊 Hanada セレクション」の表紙に、勇ましいタイトルがあった。
 立ち読みは気の毒と購入して読んでみたが、2005年に雑誌「諸君!」に掲載された安倍氏へのインタビュー記事。国会で聞かれたことに答えず長広舌をふるう首相らしく、ねちっこい朝日攻撃だった。内容も、お粗末。このタイトルを見て苦々しく思うのは、筆者だけではあるまい。

■レベルの低い朝日攻撃
 「逃げる気か、朝日新聞!」は、14ページを割いた安倍氏へのインタビュー。2001年にNHKが放送した従軍慰安婦を扱った番組に、当時内閣官房副長官だった安倍氏と中川昭一経済産業相(当時)が、圧力をかけて内容を改変させたとする朝日新聞の報道(2005年)に対する恨み節だ。事実無根を訴えた安倍首相らの主張に対する朝日側の検証結果を、インタビュアーと共に論難していた。書名が「財務省文書『改竄報道』と朝日新聞」だけに、全編これでもかの朝日攻撃。ネトウヨ御用達の低級な雑誌だ。

 詳しく内容を追うつもりはない。記事の中から抜粋した二つの発言にすべてが集約されているからだ。

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 「朝日は何とか世間に対して“一見落着”のイメージを作るために体裁を整えなければいけなかったのでしょう」、「もちろん、権力を持っている側は、報道の自由に対して常に尊重する立場をとり、自分の発言が圧力になるのかどうか、抑制的かつ謙虚な態度をとらなければなりません」――。安倍首相の発言自体が笑止。どの口が言っていたのかと、呆れるしかない。

■逃げているのは誰か!
 2014年の衆院解散後、TBSの報道番組 『NEWS23』に出演した安倍は、街頭インタビューでの有権者のコメントに逆切れし、「これおかしいじゃないですか」と色をなした。有権者のコメント自体は、景気の悪さやアベノミクスの効果を実感していないという、ごく当たり前のものばかりだったが、安倍は自説に迎合した意見が無かったことに腹を立てたのだ。まるで駄々っ子だが、直後に自民党は選挙報道に露骨な圧力をかける。

 安倍側近の総裁特別補佐・萩生田光一筆頭副幹事長(当時)と福井照報道局長(同)の連名で、NHKと民放キー局に、選挙報道の公平中立などを求める要望書を付きつけたのだ。項目は、次の4点だった。

  • 出演者の発言回数及び時間等については公平を期すこと。
  • ゲスト出演者の選定についても公平中立、公正を期すこと。
  • テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中がないよう、公平中立、公正を期すこと。
  • 街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期すこと。

 「報道の自由に対して常に尊重する立場をとり、自分の発言が圧力になるのかどうか、抑制的かつ謙虚な態度をとらなければなりません」が聞いて呆れる。

 学校法人「森友学園」や「加計学園」の問題を巡っては、「丁寧に説明する」「真摯に向き合う」と明言しながら、安倍昭恵夫人や加計孝太郎加計学園理事長といった疑惑の中心人物の証人喚問を拒否。政権の言いなりに動く役人を人身御供に差し出して、“一見落着”を演出した。

 安倍政権のこれまでを振り返ってみよう。首相が強引に決めた特定秘密保護法、集団的自衛権の行使、安保法制、カジノ法、参議院定数の6増等々、いずれも国民の6割以上が反対した政治案件だ。批判が強まるたび、やはり「丁寧に説明する」「真摯に向き合う」を繰り返してきた。しかし、首相は本当に“丁寧な説明”をしてきたのか?政治姿勢に“真摯さ”を感じることができるのか?

 答えが「NO」であることは明らか。ならば、こう言うしかあるまい。

 「逃げる気か、安倍晋三!」



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