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国会議員外遊の実態
議員秘書のひとりごと(4)

2018年7月26日 08:35

国会と飛行機2.jpg 国会も閉幕し、外遊の季節がやって来た。この時期は、衆参両院の委員会から委員長・理事などが外国へ「視察」と称する海外旅行に出かける期間となる。
 “一強”状態が続き民意を汲み取ることを忘れた国会だが、税金を使った議員の息抜きはこれまでと同じ。古参の議員秘書が、外遊の実態について語った。


■旅行会社丸儲け
 過去にある衆議院の委員長の秘書をしていたとき、事務局職員から「委員派遣に使う、旅行会社の希望はありますか?」と聞かれたことがありました。特に希望はなかったのですが、安い方がいいと思って“何社かに見積もりをさせたらどう?”と聞いたら意外な返事が返ってきたんです。

 「どこの会社も同じ金額です」――。不思議に思ったので「なぜ?」と問い直すと、「国会での議員派遣は、正規料金での運賃と宿泊費だけしか認めていないので、どの旅行会社を使っても同じ金額になるんです」との答えでした。

 一般の企業や個人で旅行計画を立てるとき、正規料金を払う人はいません。JTBや日本旅行、ネット上でも安い料金で交通費と宿泊費を提供しています。ところが国会や官僚の海外出張には「正規料金」が当たり前となっている。これは国内視察も同じ。当然、支払われる費用は税金から捻出されているのですが、使う当事者がその「正規料金」に異を唱えたという話を聞いたことがありません。はなから「安くしよう」という意識がない。旅行会社は丸儲けですね。

■要人面会は形だけ
 海外派遣が日本における重要案件であれば、ある程度納得できます。しかし実際には観光旅行で、議員在職中の「ご褒美」としての旅行でしかない。視察に行く国を見てもODA特別委員会を除けばヨーロッパの中心地などが多い。ODAを受けている発展途上国にしても、日本の国会議員を厚遇でもてなすことは想像に難くないですよね。

 この議員派遣の問題は、地方議会にも全く同じことが当てはまります。そもそも、夏のバカンスの季節に海外へ行っても主要人物との面会はできません。担当した外務省職員が「所在地に視察団が来ましたけど、やることがないので、『どこかの国際機関の長にでも会うか』みたいな話になりました」と言っていましたが、その程度のことなんです。適当に事務方が用意した相手国の担当者に面会して、事務方が「あたかも有意義な意見交換であったか」と見せかけるような「報告書」を提出して形をつくっているのが実態なんです。

 下の表は2016年夏の衆議院の海外派遣実績ですが、80人で費用は1億5,000万円に上っていました。
20180726_h01-01.jpg
 酷暑が続き西日本豪雨災害の復旧も遅々として進まない中、今年も国会議員の海外派遣が粛々と計画されていました。さすがに「この時期に外遊はマズイ」と思ったのか、副議長一行の視察は延期になっています。ただし、あくまでも「延期」。決して「中止」ではないんです。



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