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機能不全の国会 問われる議員特権の必要性

2018年7月 3日 08:20

8af47d3e1469444682567b07fd6704149c314769-thumb-230xauto-24414.jpg モリ・カケ疑惑がどれだけ深まっても崩れない「一強」。昔なら、内閣が二つ三つ吹っ飛んだはずの事件ばかりなのに、安倍政権は倒れない。
 官邸がすべてを決めるようになったこの国の国会は、まさに機能不全。衆参両院707人の政治家が、お飾りの人形に見えてくる状況だ。
 この人形飾りを維持しているのは莫大な税金だが、タチが悪いことに、この人形たちは様々な「特権」を有したまま、離そうとしない。

■参議院議員会館のエレベーター
 衆・参両院には、秘書の集まりである「秘書協議会」があり、それぞれ20数名の幹事が中心となって運営されている。一種の労働組合のようなもので、自民党議員の秘書も共産党議員の秘書も、もちろん無所属議員の秘書も加入している。両院の秘書協議会は毎年、国会内の制度や設備の改善を庶務部長と議院運営委員長に要望しているが、参議院側で何度出しても通らないのが「エレベーターの運用改善」だ。

 参議院議員会館にはエレベーターが12台あるが、そのうち半分の6台が「議員専用」となっている。一方、2棟ある衆議院議員会館にもそれぞれ12台のエレベーターがあるが、「議員専用」はわずかに3台。参院会館では議員がエレベーターの半分を独占しているため、一般人用のエレベーターが常に混雑する状況だ。

KIMG0344.JPG参議院会館の議員専用エレベーター

 参院の秘書協議会は、衆議院と同じように3台を議員専用にして、残りのエレベーターを高層階用、低層階用運用に分けるなどして運用の改善を図るよう訴えてきたというが、議運は相手にせず毎回否決。国会議員が不便になるというのがその理由だ。政治家は、一度つかんだ権利は絶対手離さないもので、参議院会館のエレベーター独占はその典型となっている。

■第2の給与に毎月100万円
 国会議員に支給されている「文書通信交通滞在費」(文通費)もその一つだろう。毎月10日と月末に50万円づつ計100万円が、文書通信交通滞在費として国会議員の口座に振り込まれている。たしかに昔は東京から九州や北海道に電話するだけでも料金が高かったが、ネットの普及とともにその経費は激減している。

 支給額は、国会議員自らのお手盛りで決められてきた。税金もかからない極めて都合の良いお金であることから、金額はうなぎのぼり。月額の変遷を振り返ってみると、次のようになる。 20180313_h01-01.jpg  文通費は、報告や公開の義務がないことから、飲食や投資などに流用する議員がおり、国会議員の「第2の給与」と揶揄されてきた。しかし、国会内で改正する気運はない。唯一『日本維新の会」だけが、『政治資金の流れを透明化し、国民の皆様への説明責任を果たすため』として、所属議員の文通費を公開しているのだが、同党議員が代表を務める政党支部の支出には、私的な支出とみられるものもあり、手放しで褒めるわけにはいかない。

 例えば、日本維新の会・東徹参院議員の政治資金収支報告書の記載。107,730円分の国会手帳は誰に配ったものだろう?

20180703_h01-01.jpg

 同じく日本維新の会の高木佳保里参院議員は、議員宿舎の電化製品代に82,500円を支出していた。どう考えても私的流用だろう。

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 木下智彦前衆院議員は、イヤホン代に10,580円の支出。値段からいって、そこそこ良いイヤホンのようだが、政治活動に使うとは思えない。

20180703_h01-03.jpg

 政党支部は、政党助成金の受け皿だ。使途を公開しているからといって、何に使っても良いというわけではあるまい。文通費も政党助成金も原資は税金。議員会館のエレベーターも税金でできている。国民は、議員特権のために税金を払っているのではない。



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