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鹿児島・松陽台県営住宅増設事業に暗雲 入居者減で目立つ空室

2018年6月 5日 07:15

34913_20170606111051-1.jpg 鹿児島県が、住民の声を無視して進めてきた鹿児島市松陽台町の県営住宅増設を巡り、5月1日の時点で、従来からある県営住宅と新設の県営住宅(松陽台第二団地)を合わせ、約40戸が空室の状態になっていることが分かった。
 60億円近い公費を投入した新設の松陽台第二団団地は、130戸のうち9戸が空室。計画されている残り150戸の住宅整備には、さらに約30億円が必要となる見込みで、事業の先行きに暗雲が漂う状況となっている。
(写真が松陽台第二団地。県HPより)

◆57億かけて130戸 すでに9戸が空室
 松陽台町は、もともと鹿児島県住宅供給公社が約11haの予定地に戸建用地470区画を「ガーデンヒルズ松陽台」として販売するために開発した地域だ。しかし、戸建て用地の販売不振から170区画程度の売却が済んだ平成23年3月になって、当時の伊藤祐一郎県知事が唐突に方針を転換。県営住宅を整備するとして未分譲の戸建用地約6ha、商業施設用地約5haの全てを公社から買い取って強引に建設工事を進めてきたという経緯がある。公社の赤字をごまかすため、税金で穴埋めしたのだ。

 現在までの事業費は、土地取得費として30億3,348万円、130戸の住宅建設費などに25億7,614万9,000円。合計56億962万9,000円が、宅地開発に失敗した住宅供給公社の赤字を埋めるために、投入されたことになる。松陽台第二団地については、2021年までにさらに約150戸の増設が計画されていることから、建設費はさらに30億円あまりが積み増しされ、最終的な事業費の総額は90億円を超えるものと見られている。

 地元住民らの話によると、県営住宅の空室が目立ち始めたのは今年の春から。複数から「空室が増えている」という情報が寄せられたため調べたところ、古くからある県営松陽台団地は総戸数160戸のうち30戸が空き家、新設の松陽台第二団地も総戸数130戸のうち9戸が空き家になっていることが明らかになった。県側も、空室状況を認めている。

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 上伊集院駅から見える松陽台県営住宅。新設の第二団地は、そこから徒歩で10~15分。

◆失政を継続する三反園県政
 なぜ空き家が増えるのか――。理由は「不便」ということに尽きる。鹿児島市内の中心地に位置する鹿児島中央駅から松陽台町があるJR鹿児島線上伊集院駅までは二駅、約10分。車だと30分以上かかる。保育所・幼稚園も小・中学校も整備されていない上、商業施設もない。小学生は、「鹿児島市立松元小学校」に通うため、地元の上伊集院駅から一つ先の薩摩松元駅まで“電車通学”を強いられているのが実情だ。松陽台第二団地は「子育て支援住宅」のはずだが、子育て環境は最低と言わざるを得ない。15年10月には「薩摩松元駅」で小学生のホーム転落事故が、今年1月には町内にある「松陽台ふれあい公園」で女子高生が刃物で殺傷されるという事件も起きている。

 「近くに小学校や幼稚園・保育園がない」、「何をするにも車が必要で、買い物が大変」、「危険な場所が多く、子供だけで遊ばせられない」――松陽台の県営住宅内を歩けば、必ずと言っていいほど、こうした声が返ってくる。1年、2年と住むうちに、「やっぱり、市街地に近い方がいい」と引っ越す人は少なくないという。それでも進む県営住宅増設事業……。前県政を刷新すると叫んで知事になった三反園訓氏は、一体何をやっているのか?



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