先月、鹿児島市で開催された国際青年会議所アジア太平洋地域会議「ASPAC」(アスパック=Asia Pacific Area Conference)鹿児島大会で、鹿児島県の三反園訓知事(写真)が臨席されていた秋篠宮ご夫妻につきまとい、大きな問題となっていることが分かった。
秋篠宮ご夫妻へのつきまといは、報道陣のカメラに映り込むことが目的。関係者やSPの制止も無視したとされ、露骨な皇室の政治利用に激怒した宮内庁の関係者からは「三反園氏の知事在職中は、鹿児島県に協力することはできない」という声さえ出ている。
◆制止を無視して秋篠宮ご夫妻に“つきまとい”
秋篠宮ご夫妻は、ASPAC側の招きに応じる形で24日から鹿児島県を訪ねられ、25日に行われた鹿児島県主催の「明治150周年記念式典」にも出席されていた。“事件”が起こったのは、24日に城山ホテルで開かれたASPAC関係者などとのご懇談(茶話会)の時。三反園氏は、必ずテレビカメラに映り込むようなポジションに付く形で終始ご夫妻につきまとい、笑顔を振りまいていた。
あまりの無礼に、主催者や県議会議長らが注意したが知事は意に介さず“つきまとい”を続行。見かねたSPも警告したが知事はこれも無視し、秋篠宮ご夫妻から離れようとしなかったという。たしかに、ネット上に残った複数の画像には、背後霊のごとく秋篠宮ご夫妻の傍らに立つ三反園氏の姿が残されている。
大会関係者の話。
「皇室が来県された場合、知事がおそばで説明などにあたるのはよくあること。最初は、『ああ、知事がいるな』という程度で、気にも留めなかったが、とにかく秋篠宮ご夫妻から離れようとしない。しかも、ちょろちょろと場所を移動するから目立つ。ご夫妻とカメラに映ることが目的なんだと、すぐに分かった。会場にいたほとんどの人が、気付いていたんじゃないか。『なんだ、あれは』と顔をしかめる人は少なくなかった。関係者が何度も注意したが、三反園さんは聞き入れなかった。自分の人気取りに皇室を利用する知事など、聞いたことがない」
◆異例の画像削除要請 関係者から怒りの声
想像以上に酷い状況だったのは確か。波紋は広がり、「明治150周年記念式典」にまで影響が及んでいた。“つきまとい事件”から4日後の5月28日には、議会事務局からすべての県議会議員に対し、下のFAXが送付されている。
式典会場は撮影禁止だったとして、残された映像等の削除を要請するもの。秋篠宮ご夫妻のお姿を対象にしていることは明らかだ。FAXを受け取った県議らは、当初「意味が分からんかった」と言い、“知事のつきまとい”を知ってから、ようやく合点がいったとしてこう話す。
「異例の通知ですね。県費で開催した祝典の画像を消せなんて聞いたことがない。知事が秋篠宮ご夫妻につきまとったという話を聞いて、そういうことかと……。改めて関係者から状況を聞きましたが、知事の常識を疑ってしまいました。三反園さんは、鹿児島県の歴史に汚点を残した。昔なら、不敬罪で捕まってたところ。辞任に値する」
別の県議会関係者は、前代未聞の出来事に憤りを隠そうとしない。
「県政トップが皇室を政治利用したことは確か。鹿児島県の恥だ。秋篠宮ご夫妻には、申し訳ない思いでいっぱいだ。知事の暴挙には、JCの関係者も怒っている。もともと、秋篠宮ご夫妻の来県を実現させたのは、鹿児島JC関係者の尽力によるもの。たまたま、明治150年記念式典に重なっただけで、知事がご夫妻を本県にお呼びしたわけではない。宮内庁も激怒していると聞いている。不敬。大問題だ」
日ごろは冷静な宮内庁の関係者も、三反園氏を厳しく批判している。
「なんなんですか、あの人は。周りの注意を無視して、秋篠宮ご夫妻につきまとうなど、もってのほか。無礼にもほどがある。皇室の政治利用は、絶対に許されることではない。知事ともあろう者が、そんなことも分からないとは、呆れてものが言えない。あの知事の在職中は、鹿児島県の協力要請を断るべきという声もある。なんであんな人が県知事をやっているのか……」