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劣化する永田町 学歴と職歴を調べてみると……

2018年6月25日 06:55

gennpatu 1864410756--2.jpg 疑惑まみれの安倍政権だが、依然として一強状態であることに変わりはなく、政府・与党の強引な国会運営が続いている。
 モリ・カケ問題は未解明のまま、働き方改革関連法案もカジノ法案も強行採決。衆議院465人、参議院242人――合わせて707人もの“選良”がいるはずなのに、国会は、あってないような状態だ。
 政治生命をかけてモノをいう政治家が少なくなったのは確か。議員個々のレベル低下も言われて久しい。改めて、国会議員の学歴や職歴について調べてみた。

■高学歴だがレベルは低い
 閣僚や政府三役の国会答弁を聞いていると、小役人の逃げ口上そのもの。わかりきった嘘やごまかしを平気で口にするようになっている。森友学園や加計学園の問題で追及されてきた麻生財務相をはじめ、関係した政治家たちの答弁は、子供でも信じそうにないお粗末な内容ばかりだった。昔から言われてきたことだが、官僚がよく使う「検討する」「善処」「総合的」などは、「やらない」「適当にごまかす」「おおざっぱ」と同義。政治家もこうした役人言葉をまねるようになっている。

 言葉を選ぶことができず、暴言・失言を繰り返すのも安倍政権下における政治家の特徴だ。野党議員にしても、迫力のある語り口で、政府を追い詰める人は稀。学力が低下しているのかと思い、出身大学について調べた。

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 トップはやはり東大。以下、慶大、早大と続く。10人以上の国会議員を輩出したのは以下の11大学。京大と東北大以外はすべて東京の大学だが、この11校の卒業生で計443人、国会全体の約62%を占めている。なかでも東大が133人、慶大76人、早大72で計281人。なんと、この御三家の出身で国会議員の約4割になる計算だ。永田町は、同窓の先輩・後輩ばかりという、狭い世界なのである。最終学歴が高等学校という政治家は、数えるほどしかいない。

■地方議員・官僚出身で4割超
 次に、政治家になる前の職業について見てみよう。ダントツは地方議会の議員からの出世組で約204人。次いで中央省庁出身者が112人となっている。3番目に多いのが労組出身で32人。首長経験者は意外と少なく29人しかいない。以下、様々な経歴を持つ議員がいるが、前職に偏りがあるのは事実のようで、これが国民の広範な声をすくい取ることのできない国会の現状につながっていると見ることもできよう。永田町と国民意識の間にある温度差は、広がるばかりである。

 ちなみに、国会議員になる前の職業に関係なく、“3親等以内の親族が元国会議員”という世襲政治家は100人を超えており、これが日本の政治レベルを低下させる要因になっていることも忘れてはなるまい。

 高等小学校卒業で総理大臣にまで上り詰めたのは、故・田中角栄元首相。政治家になる前は、土建屋の社長だ。学歴も職歴もきれいな政治家ばかりになったが、角栄氏を超える政治家は、ただ一人として出ていない。



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