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波紋広げる鹿児島県知事のカネ集め(上)

2018年6月11日 10:25

0606_1.jpg 三反園訓鹿児島県知事の後援会が今年7月に開催する予定となっている政治資金パーティーを巡り、県と利害関係のある団体ばかりを集めた実行委員会の構成に疑問の声が噴出。HUNTERが問題点を報じたことで、波紋が広がる事態となっている。
 実行委に名を連ねたのは県内の主要23団体。県から補助金を支給されている団体が参加していることに加え、県議会や市長会など政治的にまとまるはずのない組織まで実行委に組み込まれており、報道を知った関係者からは「聞いていない」「団体として知事のカネ集めへの協力を承諾した覚えはない」といった声が上がっている。

◆法の趣旨無視した実行委員会の構成
 「三反園訓知事を励ます会」の計画段階での実行委メンバーは次の通りだ。

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 業界団体とその政治団体が混在しているが、問題となるのは県からの補助金を受給する団体や業務を受託する業者らの団体が知事のカネ集めに協力している点だ。

 政治資金規正法は、地方自治体から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付の決定を受けた会社その他の法人が、当該自治体の議会の議員や首長に寄附することを禁じている。農業協同組合や漁業協同組合、土地改良事業団体などは、自治体や国から補助金を受ける立場。知事側への政治資金提供は、法の趣旨を無視するものだ。建設産業団体は、県から公共事業の契約をもらう業者の集まり。知事のカネ集めに直接的な関与をすることは許されまい。

 このため、各団体は個別に政治団体を組織するのが普通で、農協なら「農政連」、医師会などは「政治連盟」が政治的な活動をする形になっている。しかし、励ます会の実行委に加わっているのは、農協や漁協、土改連といった本体。さらに、特定非営利法人(NPO)である女性団体や公益社団法人である観光連盟まで名を連ねており、実行委の構成自体が不適切であることは確かだ。

 案の定、先週の記事配信以来、HUNTERには何通もの情報提供メールが送られてきている。
「うちの団体が、組織を挙げて知事の政治資金集めに協力することなどできない。機関決定も行われていない」。
「勝手に団体名を使ったのは問題」。
「私どもの団体は、前回知事選で伊藤さん(祐一郎・前知事)を応援した。なんで三反園のカネ集めに協力しなければならないのか」。
「県議会がまとまって知事のカネ集めに協力している格好だ。おかしい」。

 では、法的な問題が指摘されるような実行委員会は、どのように組織されたのか――。実行委員長の岩崎芳太郎氏(鹿児島商工会議所会頭)が所属する県商連政治連盟に取材を申し入れたところ、おかしな展開となった。

 同連盟の連絡先は鹿児島商工会議所。対応した職員は、「(政治資金パーティーを主催する)みたぞのさとし後援会三訓会に聞いて下さい」と言う。やむなく三訓会に電話してみると、担当者は「私は実行委員会の者で、三訓会の者ではない」として、別の人物に聞け――。知事の政治活動を支えようという組織の関係者が、取材に対し、そろってたらい回しをするしかない状態ということだ。さらに取材を続けた。

(つづく)



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