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追加公表の森友文書に重要記述 始まった財務省の反撃

2018年3月22日 08:15

177f0ba61a258f89345c0a847e969d12a588114c (1).jpg 学校法人「森友学園」への国有地払い下げをめぐる問題で、今月19日に財務省が「削除を気付かなかった」として国会に追加提出した文書が、真相究明において重要な意味を持つ1枚だったことが分かった。
 唐突に出てきた文書を前に、野党関係者から「すべての責任を財務省に押し付けた安倍政権に対する、同省の反撃ではないのか。“隠されている文書はまだあるぞ”というシグナルだろう」といった声も上がっている。

◆明らかになった「価格提示」
 下が、19日に財務省が国会に提出した追加の森友文書。赤いアンダーラインで示したように、契約形態が“定期借地”から“売買”に変わった経緯がよくわかる内容だ。文書には、平成28年3月に学園側から敷地内に大量の廃棄物が見つかったことを報告された財務省が、実態調査も行わないまま、学園の言いなりに土地の売却価格を下げる方向で動いていく過程が記述されていた。

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 すでに国との間で10年間の定期借地契約を結んでいた学園側は、早急な廃棄物の撤去や損害賠償請求をにおわせながら、「廃棄物の除去費用等を売却価格から控除するなら、購入も検討したい」として、脅し同然の手口で財務省に格安での土地売却を迫っていた。

 問題は、《3.学園の申し出内容》の冒頭にでてくる「6月の建物棟上げ式」という言葉。これまでに公表された森友学園の前理事長籠池泰典被告と財務局職員との会話記録などによれば、籠池被告が財務省側を脅す材料として使っていたのが、「棟上げ式に安倍昭恵総理夫人が出席する」という文言。同被告は、財務省や国交省大阪航空局には廃棄物撤去ができないことを見越したうえで、総理夫人を盾に、格安での土地売却を強要していた。「昭恵夫人」の連呼に、役人が畏怖を感じていた構図が浮き彫りとなる。

 一連の記述からは、「棟上げ式」=昭恵夫人を盾にした脅しに、なし崩し的に格安での国有地売却に傾いていった財務省の弱腰も読み取れる。森友学園との交渉過程に、今回新たに国会に提出された文書の記述を加えれば、次のまとめのようになる。

森友経過.png

 前掲した新文書の一番下に記されているのが「作業スケジュール」。実際には、ここで6月下旬とされた売買契約の時期が7月にずれ込んだ程度で、ほぼ記述通りに事が運んでいた。廃棄物の量が確認されていない段階で、売却へと方針転換し、値引きまで決めていたことになる。

 一連の記述は、財務省が否定してきた「価格交渉」「価格提示」を裏付けるもの。財務省は、この文書を「見逃した」のではなく、隠していたと見るのが自然だろう。これまでに公表された森友文書で次々に出てきたのは「特例」「特殊案件」「昭恵夫人」という通常の行政文書ではお目にかかることのない文言。今度は、学園側に最大の配慮をしたことを示す「(昭恵夫人が出席する)上棟式」「工程に与える影響を最小限に」「価格提示」だ。昭恵夫人本人もしくは“昭恵夫人の存在”が、国有地の売却に関与したのは事実だろう。これを否定する首相や政府・与党を、国民は「嘘つけ」と思いながら、冷ややかに眺めている。

◆注目される「協議メモ」の存在
 政府・与党から「財務省悪役論」が噴き出る中、突然出てきた重要文書。情報開示に積極的になった財務省の対応について、ある野党議員は次のようにコメントしている。
「“これで全部”と言っていた森友文書が、突然“もう1枚ありました。気付きませんでした”といって出てきた。検察に提出していない文書があったということになるが、あり得ない話だろう。意図的に隠していたと見る方が自然だ。責任を財務省に押し付けた政権と自民党に対し、シグナルを送ったのではないか。“これ以上財務省を貶めたら、本当のことを公表しますよ”、という意思表示だ。現に、財務省内部の協議メモの存在が森友文書の中に記述されているのに、財務省は“探したが見当たらない”とふざけた答弁をしている。メモには、決定的な文言が書かれていると言われており、財務省と官邸の間で、かなり厳しい駆け引きが行われている可能性が高い」



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