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学会員が公明批判 森友で追い詰められる安倍政権

2018年3月15日 07:40

DSC05768--011.jpg 「ヤマグチさん、何やってるんですか!」「公明党は下野すべきだ!」――。ヤマグチさんとは、公明党の山口那津男代表のこと。13日夕、永田町の首相官邸前で公明党を厳しく批判し、安倍政権の退陣を求めたのは同党の支持母体である「創価学会」の男性会員だった(右の写真)。周辺に響き渡るほどのボリュームで「平和の党はどうなった」「婦人部も怒っている」などと学会員の声を代弁する男性。議員会館から出てきた国会議員たちも、立ち止まって耳を傾けた。
 森友学園疑惑が拡大する中、安倍首相を庇い続けてきた公明党もぐらつく状況。佐川宣寿前国税庁長官の国会招致を決めるなど火消しに躍起の政権だが、自民党内にも動揺が広がっており、週末から来週にかけて森友問題が重大な局面を迎えようとしている。

◆麻生の辞意、慰留した安倍首相
 「麻生さんは辞任を申し出たが、総理が懸命に慰留した。会見での(麻生氏の)傲慢な態度は、『いつ辞めてもいい』という気持ちの表れだ」。ある与党関係者は、森友問題の舞台裏について、声を潜めてそう語る。

 麻生太郎副総理兼財務相は、党内第2派閥の領袖として安倍首相を支える政権の支柱だ。辞任されれば、政権はもたない。憲法改正どころか、秋の総裁選での再選も難しくなる。安倍としては、何としても麻生を慰留し、守り切るしか道はない。

 一方、麻生氏にとってみれば、森友問題は思わぬ方向から「降りかかった火の粉」(前出の与党関係者)。もともと安倍昭恵首相夫人の軽はずみな言動からここまで発展した森友問題だけに、「やってられるか」という気持ちが強いのだという。

 安倍の意向にかかわらず、「佐川が責任者」だとして責任を官僚に押し付けた麻生財務相への風当たりは強まるばかり。麻生氏が、来週アルゼンチンで開かれる予定の主要20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議(G20)を欠席する意思を固めたのは、“辞任”が視野に入っているからに他ならない。

◆与党内からも“三下り半”
 政府・与党が注視しているのは、週末に予定されている報道各社による世論調査の結果だ。内閣支持率が極端に下がる事態になれば、麻生財務相だけでなく安倍への批判が党内からも火を噴く可能性がある。

 すでに12日には、小泉進次郎筆頭副幹事長が「自民党という組織は官僚の皆さんだけに責任を押しつけるような政党じゃない」「なぜ書き換えたのかを知りたい。これは行政だけの問題ではなく、政治がどう向き合うか、ものすごく問われている」と発言。13日には、村上誠一郎元行革相が「全部出発点は安倍さんだと思っている。だから安倍さんは今回のいろいろな問題について“李下に冠を正さず”じゃないが、トップとしての責任をもっと猛省して頂きたい」と述べ、首相と麻生氏に“三下り半”を突き付けた格好となっている。

 与党公明党の支持母体である創価学会の古い幹部は、国会前で行われていた学会員の街頭演説について「同感」としたうえで、こう話す。「これ以上、安倍政権に付き合う必要はない。麻生さんと安倍さんにけじめをつけさせて、次の自公政権に向けて動くべきだ。昨年の総選挙でごっそりと票を減らしたことを、公明党は重く見ていない。集団的自衛権や戦争法を認めてきたことが、学会の教えに反するのは事実。平和の党を自任してきた公明党は立党の原点に立ち返り、腐敗と決別すべきだ。さっさと証人喚問をやればいい」

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◆注目すべきは歴代「理財局長」
 佐川前国税庁長官の国会招致は来週にも実現する見通しだが、同氏が呼ばれるのは財務省文書の偽造と国有地売却契約の担当財務局長だったからだ。しかし、下の表で明らかなように、森友との交渉経緯をたどれば、節目ごとに財務局長が替わっていたことがわかる。

理財局長.png

 近畿財務局と森友学園が問題の土地の定期借地契約を結んだ時の理財局長は中原広氏。小学校建設予定地のゴミ撤去費用について、国交省大阪航空局が近畿財務局に「8億2,000万円」と報告した時の局長は迫田英典氏で、いずれも国税庁長官を務めた後に退官している。歴代の理財局長・国税庁長官が、森友疑惑に関わっていたということだ。

 じつは、歴代理財局長3人を国会で問い質さなければ、森友疑惑は解明されないというが実情。佐川氏の国会招致が実現すれば、必然的に歴代局長を呼ぶ必要性が高まり、最後は昭恵夫人を呼べという展開になるとみられている。

◆「安倍退陣」は世論調査の結果次第
 仮に、佐川氏以外の局長をすっ飛ばして昭恵夫人の国会招致への流れができればどうなるか――。戦前、戦後を通じ、日本国総理大臣の妻が国会に呼ばれて疑惑を追及されたケースは皆無。自民党と公明党が昭恵夫人の国会招致を容認せざるを得ない状況になった場合、安倍首相は退陣する可能性が大だ。公明の支持母体である創価学会や自民党幹部の中から公然と政権批判が出始めたいま、一強は過去のものとなっている。次の世論調査で、この国の自浄能力が試される。



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