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森友・加計疑惑の背景に政治の劣化
内閣人事局の問題点

2018年3月14日 08:40

20120608_os01-thumb-480x360-4093.jpg 学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題が、安倍政権を窮地に追い込んだ。土地売買の契約に関する財務省の公文書が改ざんされ、官僚が国会で虚偽答弁――。明治期の太政官以来、霞が関が守り通してきた「官は間違いを犯さない」という国家統治の原則が、もろくも崩れ去った。原因が、安倍昭恵首相夫人にあることに異論を唱える国民は少数だろう。
 安倍政権は財務省に責任を押し付けて延命を図る構えだが、加計学園の獣医学部新設で叩かれた文部科学省も財務省も、官邸=政治の力に押されて行政を歪めたというのが本当のところだろう。なにがこの国の政治や行政を狂わせたのか――。(写真は首相官邸)

◆政治が歪めた国家行政
 加計学園の問題で明らかになったのは、「官邸のご意向」がもたらした文部行政の歪み。安倍首相のお友達のために官邸と内閣府が動き、その結果国家戦略特区を悪用した不透明な獣医学部新設が決まった。

 森友学園を巡る疑惑は、“首相の妻”という立場が財務省や国交省に圧力をかけ、ただ同然で、首相と同じ右翼的思想を持つ男の学校法人に国有地が払い下げられた。

 いずれも、政治が行政に無理を押し付け、官僚がやむなく従った結果である。背景にあるのは、官邸政治の強大化。霞が関を腐らせたのは政治主導の人事制度なのである。

◆内閣人事局
 平成26年、安倍政権の目玉政策の一つとして、内閣官房に「内閣人事局」が設置された。官僚主導で行われてきた役所の人事権を内閣人事局で一元管理し、官邸主導で審議官級以上の幹部人事を決定することを目的とするものだ。

 トップは国家公務員制度担当相だが、実質的に同局を取り仕切っているのは官房副長官の中から首相が選任する内閣人事局長である。歴代の人事局長は、加藤勝信(現・厚労相)、萩生田光一(現・幹事長代行)、杉田和博となっている。加藤と萩生田は衆議院議員、杉田は元官僚だ。

◆クローズアップされる萩生田氏の存在
 加計と森友の問題が大きく動いた平成27年から29年にかけて、内閣人事局長を務めていたのは萩生田氏。下は、かつて萩生田氏自身がブログに掲載した写真だが、左端が安倍首相、右端でビールを片手にポーズしているのが萩生田氏。そして真ん中に立つ人物こそが、首相の“腹心の友”加計学園の加計孝太郎理事長である。場所は首相の別荘。萩生田氏が自慢げにアップした写真が、3人の親密な関係を物語っている。

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 それまで停滞していた森友学園への国有地売却が、一気に進みはじめたのが平成27年11月以降。加計学園の獣医学部新設問題も、この年から国家戦略特区の関連会議で議論されていた。

 永田町で噂されているのは、森友・加計両学園問題への萩生田氏の関与。内閣人事局長の立場を利用して役所に圧力をかけ、首相と首相夫人のために行政を歪めたという見立てだ。人事権を握られている霞が関は、抵抗する術を持たない。「無理を通せ」「公文書を書き変えろ」――そうした指示を萩生田氏が出していた可能性は否定できない。

◆政治主導の失敗
 高級官僚の人事を政治主導で決めるという考え方が、間違っているとは思わない。しかし、それは政治家があくまでも「善」であることを前提としており、汚れた政治家が役人の人事権を握った場合は、政治と共に行政も歪み、最後は腐り果てる。

 森友問題で財務省が犯した公文書改ざんの裏には、多分に政治の臭いがする。加計疑惑に関しても、構図は同じだ。官僚人事を掌握した政治そのものが、実は劣化していることを、麻生太郎財務相や安倍首相の会見での呆れた態度が教えている。「財務省が悪い」「理財局長がやった」という子供じみた逃げ口上が、通用するとは思えない。公文書の改ざんという犯罪行為を行ったのは官僚だが、指示したのは間違いなく政治だ。だとすれば、これ以上、安倍政権に霞が関の人事を任せることはできまい。



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