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政権揺るがす森友疑惑 注目は朝日新聞の動向

2018年3月 8日 08:35

gennpatu 1864410756--2.jpg 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書が書き換えられた問題で、同省が8日、参議院予算員会の理事会に決裁文書のコピーを提出し、調査内容を説明することになった。ただし、国会に提出される決裁文書は、これまでに公表されたものと同一の内容。朝日新聞が報じた“書き換え前”の文書ではないとみられており、政府・与党は「これが原本」として、逃げ切りを図る構えだ。
 「ないものは、ない」が通用するかどうかは朝日の出方次第だが、政府のうろたえぶりからして、文書偽造は確実。この1年、国の役所が平気で嘘をつき、後になって真相が暴かれるというケースが続いており、どうあがいても、国民の疑いが晴れることはなさそうだ。

◆一強がもたらした霞が関の歪み
 自衛隊の日報、加計学園の獣医学部新設に関する文科省メール、森友学園との交渉記録、裁量労働制の調査票、そして森友新文書――。関係省庁のや官僚や閣僚が「ない」「調べられない」と断言した文書が、次から次へと出てくる状況だ。前川喜平元文部事務次官の「あるものをないとは言えない」は、けだし名言であったと言うべきだろう。いまや、昨年国会に提出された森友の決裁文書が“原本”であると信じる国民は皆無に近い。安倍一強の長期化が、霞が関に歪みをもたらし、政権を守るために官僚が平気で嘘をつくようになった結果だ。

存在否定の文書

◆逃げ道を間違えた財務省 
 今月2日に朝日新聞が決裁文書の書き換え疑惑を報じて以来、財務省の対応はお粗末に過ぎた。「検察の捜査に影響を及ぼす」「調べられない」で逃げ切りを図る構えだったが、国権の最高機関が「出せ」と迫る文書を、一行政機関に過ぎない検察が拒めるわけがない。国政調査権を発動されたらなおさらだ。真相を知りたいという国民の要請を、検察の捜査を盾に拒否した段階で、安倍政権は信頼を失っている。

 そもそも、土地取引の決裁文書が捜査に影響を与えるという財務省の主張には、何の根拠もない。検察は何種類もの告訴・告発を受理しており、森友学園の籠池泰典前理事長と夫人による補助金の不正受給、財務省、国交省の背任、公用文書等毀棄などについて捜査を進めているが、こうした事案で土地取引の決裁文書が重要な役割を果たすとは思えない。財務省が文書偽造で告発されていれば話は別だが、現在は、刑事事件になるかどうかの検証過程。決裁文書が公表され捜査が進むことはあっても停滞することはない。財務省側は、逃げ道を間違えたということだ。

◆注目集まる朝日新聞の動向
 問題は、朝日が報じた「書き換え前の決裁文書」の写しなり画像なりを、同紙が保有しているかどうかである。2日の記事では「確認した」となっており、「入手」とは書かれていない。切り札をとっているのか、情報源との約束で現物を出せないのか判然としないが、現物があったとしても、それが財務省作成の文書であることを証明しない限り“朝日の勝ち”とはならない。

 仮に書き換えが事実だと認定されれば、公文書偽造。刑法には、1年以上10年以下の懲役という重い罰則が規定されている。戦後、日本の官僚が公文書偽造罪に問われたことはなく、歴史に残る汚点となる。当然、麻生太郎財務相は辞任。展開次第で、安倍内閣の総辞職につながる可能性もある。

 今後の展開が気になるところだが、したたかな自民党のこと、そう簡単に万歳するとは思えない。財務省に決裁文書提出を決断させたのは、二階俊博自民党幹事長。6日の会見で「国会から要求された資料を出せないのはちょっと理解できない」と発言したことで、流れが変わった。公明党の山口那津男代表が、同日の会見で「(財務省が)言及を控える対応は妥当だ」などとして財務省をかばったのとは対照的な態度だった。二階氏は、朝日が書き換え前の現物を持っていないと判断、「原本はこれだ」として公表済みの決済文書を提出させ、「書き換えはなかった」という結論を導こうとしている可能性がある。
 朝日新聞が二の矢を放つのはいつか――。永田町の注目は、その一点に絞られている。



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