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消えた「情報公開」の窓口 九州各県自治体公式サイトの現状

2018年2月 1日 09:30

fukuoka-shiyakusho06_t.jpg 昨年世間を騒がせた「森友・加計問題」からも分かる通り、「情報公開」の重要性は高い。行政における意思決定プロセスに問題はなかったのか――情報公開は、こうした疑問に対する答えをえるための手段であり、行政の透明性を高める役割をもつものだ。九州7県および福岡・北九州両政令市のうち、HPトップ画面上にこの情報公開の窓口(タグ)があるのは熊本県・佐賀県・北九州市のみだった。他の役所の情報公開に対する意識の低さが際立つ。
(右は、福岡市役所)

■「窓口」がなくなった
 情報公開を請求し、文書の開示を求める場合、指定様式の請求書を対象の役所の情報公開室に持参する・郵送する・インターネット経由で請求する。この3パターンがある。九州7県および福岡市・北九州市HPをのぞいてみよう。

 熊本県・鹿児島県・大分県・宮崎県・長崎県・北九州市は窓口での相談・請求書記入の対応も可能としているが、福岡県・佐賀県・福岡市は事前に請求書をHP上でダウンロードして、必要事項の記入を済ませた状態で窓口に持参、または郵送・ネット申請するよう指示している。実際には担当課の窓口でも対応可能とのことだが、指示通りに申請するとなると、インターネット環境は必須であり、持参・郵送の場合はHP上でダウンロードした請求書のプリントアウトまでしなければならない。

 相応の手間がかかるわけだが、冒頭述べた通り、九州7県および福岡市・北九州市のうち、HPトップ画面上に情報公開のタグが記載されているのは熊本県・佐賀県・北九州市のみ。文書の開示に際して細かく指定事項を設けているわりに、不親切な作りである。以下、九州7県および福岡市・北九州市のHPトップ画面を紹介する。

20180130_h02-01.jpg 20180130_h02-02.jpg
福岡県 福岡市
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北九州市 熊本県
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鹿児島県 長崎県
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佐賀県 大分県
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宮崎県

 情報公開のタグがトップ画面に記載されている熊本県・佐賀県・北九州市にしても、その配置は決して初見ですぐに分かるような場所にはない。国民の知る権利にも関わってくる問題であり、情報公開の存在が分かりづらくなっている九州の現状は好ましくはない。ちなみに、日本の首都・東京都のHPトップ画面上には初見でも分かるようなサイズ・配置で「情報公開」の文字が踊っている。

000-東京都.png

 情報公開の必要性を強く訴えてきた小池百合子東京都知事らしい画面構成。さらに小池都政は、それまで情報公開の請求権者を都の区域内に住所や事務所を有する個人や法人などに限定し、都外から情報公開を行う場合は公文書の開示を必要とする理由を明示して請求する必要があった点を改正。「何人も、実施機関に対して公文書の開示を請求することができる」へと変更しており、有言実行を果たした格好だ。都の情報公開制度で最大の問題だった“費用”についても大きく改善されており、他の自治体ではあまり例のなかった「手数料」を撤廃し、国や他の多くの自治体の2倍に上っていた白黒コピーの開示にあたっての実費も減額している。要は、首長のやる気次第ということだ。

■役所の本音
 HPトップ画面上に情報公開のタグもなく、請求書は必要事項の記入を済ませた状態で窓口に持参、または郵送・ネット申請するよう指示している福岡県と福岡市。九州を牽引する立場の両自治体はこの現状をどう思っているのか。

 県の担当者は「HP上右上にある検索バーで『情報公開』と打ち込んでいただければ」と説明。あくまで必要とする人が自主的に探せといったスタンスだ。「詳しい者が戻ったらこちらから折り返しいたします」とのことだったが、出稿までに連絡はなかった。
 一方、福岡市の担当者は「HPは市が作成しているわけではないので」と責任転嫁ともとれる対応。「私も(現状について)詳しく分からないので」と逃げ出す有様だった。

 福岡県・福岡市ともに情報公開の重要性は認めているものの、その実態は情報公開のために必要な情報を得るまでにも相応の手間がかかるというお粗末なもの。公式サイトのトップ画面には「情報公開の窓口」さえないというお寒い状況だ。“役所にとって都合のいい情報はたれ流すが、不都合な施策の決定過程は隠したい”。それが役所の本音と見たが……。



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