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「希望の党」今週中にも分党へ 参院の3名、維新会派は受け入れ保留

2018年1月24日 08:20

0-希望.png 民進党との統一会派結成が頓挫した希望の党が、早ければ今週中にも「分党」の形で割れる見通しであることが分かった。
 統一会派を巡る協議の過程で、結党メンバーと民進党からの合流組との間で、安保法制や憲法に対する考え方の違いが露呈。溝が埋まらないまま国会が開幕し、希望の党の動向に注目が集まっていた。
 分党を前に、希望の党所属の参議院議員3名が、日本維新の会の参院会派に参加を打診して、回答を保留されていることも明らかとなった。(右の画面は希望の党のHPより)

■迷走する希望の党
 野党関係者の話から、希望の党が今週中にも「分党」の手続きに入ることが分かった。分党といっても、割れた後にそれぞれの議員が所属する党の名称などがどうなるのか、全く見えてこない。民進合流組と一日も早く別れたいのは松沢氏ら少数。結党メンバーである長島昭久、細野豪志両衆議院議員などは明確な展望が描けておらず、五里霧中の状態だ。希望の衆議院議員は51名、参議院議員は3名。22日に通常国会が開幕したが、「気になるのは自分たちの行く末。国会審議どころではない」(同党関係者)といった状況なのだという。

 ハッキリしているのは、安保法制や憲法に対する党内の考え方が真っ二つに分かれているということだけ。希望の結党メンバーは安保法制にも改憲にも賛成。一方、民進党からの合流組には、「安保法制は違憲」と考える議員が多く、安倍政権下での改憲にも慎重だ。国の根本にかかわる問題をぼかして総選挙に臨んだツケが、ここに来て大きくのしかかってきた格好となっている。

 民進党との統一会派結成を進めたのは、玉木雄一郎代表ら合流組が主体の執行部。数の上では圧倒的で、結党メンバーが「離党」をほのめかしても、引き留めるつもりはないのだという。11名いた衆議院の結党メンバーも、総選挙で6名が落選。5名しか残っていないため、主導権は合流組が握っている。希望の創設者である小池百合子東京都知事が国政から退いたいま、長島氏や細野氏には求心力がなく、分党しても政界に結党メンバーの居場所はない。

■維新からも嫌われた希望の参院議員
 新党設立に前向きなのは、極端な右寄り路線をとる松沢成文参院議員。日本維新の会の関係者によれば、松沢氏と中山恭子、行田邦子両参院議員の3名から、維新の会の会派に参加したいと打診されたが、回答を保留。事実上、受け入れを拒否した形になっているという。関係者は、こう話す。
「片山虎之助共同代表に、松沢氏側から会派への参加を打診してきた。松沢、中山、行田の3人。“急ぎたい”ということだった。内部で協議はしたが、『急いで入れる必要はないんじゃないか』ということになった。落ち目の希望から拾っても、維新には何の得もない。『ますます支持率を下げるだけ』という声もあるほど。簡単に決まる話ではない」   

 共同通信が今月12、13日に実施した世論調査によると、希望の党の支持率は1.2%。自民の38.4%、立憲民主の12.7%から大きく引き離されており、1.3%の民進党と並ぶ状況だ。日本維新の会の支持率は2.4%。希望の参議院議員を受け入れたとしても、支持率を下げることはあっても上げることはない。慎重になるのは当然だろう。35.4%の無党派層は、こうした動きを冷ややかに眺めている。



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