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衆院選ネット対策で問われる「情報公開」の本気度

2017年10月11日 08:50

0-希望-1.png 比例区名簿の公表が公示日の午後になるなど、ドタバタが続く希望の党。代表の小池百合子東京都知事はテレビ番組などで度々「情報公開」を訴えているが、党本部の住所や電話番号を事実上の非公開とするなど、言行不一致が目立つ。
 各党が競うインターネット上の情報発信も、希望の党だけが出遅れた形。公式サイトの運用は、新しもの好きの小池代表に似合わぬお粗末なものとなっている。

■ネット選挙に不熱心な希望の党
 下が希望の党公式サイトの画面。女性は小池氏ということらしいが、結党宣言以来の迷走が示しているように、“後ろ向き”の姿は有権者に対するものとしか思えない。

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 都知事就任以来、「情報公開」を叫んできた小池氏。だが、同党の公式サイトには住所も電話番号も記載されておらず、事実上の未公開状態だ。各党が選挙関連の特設サイトを立ち上げる中、公認候補一覧などの希望の党の選挙情報は、公示日の10日午後になってようやく発信されるという酷さ。人手不足なのかもしれないが、ネット選挙に力を入れている感じではない。

 一方、小池氏の「排除の論理」に異を唱え、改憲反対、安保法撤廃を訴えて結成されたのが「立憲民主党」。党の主張そのままに公式サイトもスッキリしたつくりとなっている。

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 少人数の政治集団ながら、立憲民主の公式サイトには有権者の知りたい情報がキッチリと詰め込まれており、もちろん住所や電話番号も記載されている。希望の党とは大違いだ。

 ちなみに、以下が自民党、公明党、共産党の公式サイトの画面。手慣れたもので、それぞれ衆院選の特設サイトを立ち上げて、ネット選挙に対応している。

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■ツイッターの数は立憲民主の独走状態
 米国のトランプ大統領や橋下徹元大阪市長に代表されるツイッター政治。選挙前から話題になっていたのが、各党のフォロワーの数だ。10日夜の段階で立憲民主党が17万以上のフォロワーを集めているのに対し、候補者の数と話題性からいって圧倒するはずの希望の党は、立憲の20分の1以下となる8000台。衆議院の解散まで一位だった自民党が12万そこそこで、立憲民主の独走状態となっている(下の画面、赤い囲みはHUNTER編集部)。

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 選挙期間中、有権者が各党や個別の候補者の訴えを知る方法は限られる。街頭演説や印刷物に出会う機会がなければ、ネット上の情報を確認するしかなく、新聞を読まなくなったと言われる若い世代にとっては、なおさらだ。自民党に次ぐ人数を候補者として擁立した希望の党は、小池氏の情報発信に頼るだけでなく、きちんと有権者に自党の情報を伝えるべきだろう。そうでなければ、党首の主張である「情報公開」は嘘になる。 



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