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子供の安全には無頓着 「西郷どん」も嘆く三反園県政の実情
鹿児島松陽台・女子高生刺傷にも「防犯カメラの検討しない」

2018年1月18日 06:00

180108_0854~0001-thumb-240xauto-23136.jpg 新年を迎えスタートした大河ドラマ「西郷どん」の第2回。描かれたのは、売られていく幼い子供を助けようと奔走する若き日の西郷隆盛だった。無私の心で維新の動乱期を駆け抜けた西郷さん。三反園訓鹿児島県知事が尊敬する人物なのだというが、どうやらそれはうわべだけ。当の知事は、子供の安心・安全に無頓着である。
 鹿児島市内で起きた女子高生刺傷事件を受け、防犯カメラの設置を願う住民の声を届けたところ、県はまるで他人事。事件が起きた同市松陽台町に、地元の意向を無視して子育て支援県営住宅を整備しながら、何の対策も考えていないことが分かった。
(写真は、刺傷事件が起きた「松陽台ふれあい公園」)

■捕まらぬ犯人―県警捜査に疑問の声も 
 今月7日、鹿児島市松陽台町の公園で、県内高校に通う16歳の女子生徒が刃物で刺されるという事件が起きた。事件が起きた公園は、県が「子育て支援」を目的に増設を進める県営住宅の目と鼻の先。横を通る道は、幼い子供たちの通学路にもなっている。事件から10日経ったが、犯人は捕まっておらず、地元住民からは不安を訴える声が上がる。
 ――「事件から数日後に検問をやっていたが、私たち住民は、犯人の特徴など詳しい情報は何も聞かされていない。警察も行政も『気を付けて下さい』だけです。どうすればいいのか分からないというのが本音。後ろからいきなり刺されれば、対処のしようがない。早く犯人を捕まえてもらうしかない」

 別の住民は、なかなか事件が解決しない展開にいら立ちを隠さない。
 ――「ローラー作戦というんですかね。警察が一軒ずつ聞き込みに来たのは、事件の翌日でした。遅かったんじゃないですかね。何千件も家があるわけじゃないのに。普通、事件当日に動くべきじゃないんですか。新聞には1,000人の捜査員と書いてありましたが、『どこにそんな数の警察官が?』という感じ。まさか初動のミスなんてことはないですよね」

 子育て真っ最中の親にとっても、気の抜けない日々。コメントから、地域の問題点が浮き彫りになる。 
 ――「子供の送り迎えをいつまで続ければいいのか……。もともと人が少ない地域ですから、子供を一人で外に出すわけにはいかない。県営住宅の建設が進む一角には防犯カメラもなければ、防犯灯もない。頼れるのは警察と行政だけなのに、何の連絡もない。子育て支援は口だけなんでしょうか」

■事件現場付近の夜は……
 地元の反対を無視して「子育て支援県営住宅」の建設を強行した鹿児島県。売れ行きの悪い戸建て用地を県住宅供給公社から買収し、赤字補填で失政を隠せたため、「あとは野となれ山となれ」といったところ。松陽台で女子高生が刺されたというのに、安全対策に動く気配さえない。下は事件が起きた「松陽台ふれあい公園」付近の夜7時の様子。一番明るいところでも、この有様。県営住宅に向かって進めば進むほど、闇に沈む。

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■他人事の鹿児島県 
 せめて防犯カメラの設置で犯罪を抑止すべきではないのか――。地元住民の声を届けるつもりで、県営住宅の整備を所管する鹿児島県土木部建設課の住宅政策室に話を聞いた。

 記者:松陽台で事件が起きた。県営住宅の整備を進める上で、防犯カメラの設置は検討しないのか?
 職員:防犯カメラの設置については、検討していません。

 記者:なぜ動かないのか?
 職員:防犯カメラについては、プライバシーの問題がある。「顔を見られたくない」という人もいる。

 記者:プライバシーより子供の安全が優先だろう。
 職員:防犯カメラについては検討する予定もありません。防犯灯をつけようかと、検討している部署があることは聞いています。

 記者:どこの部署か?
 職員:うちの部の中です。

 記者:住宅政策室は検討に加わっていないのか?
 職員:加わっていません。

 これから先も防犯カメラの設置を検討することはないと明言する担当職員。どこまでも他人事。自分たちが整備を進めてきた子育て支援住宅の子供たちが危険にさらされているというのに、危機感ゼロだ。知事が指示すれば組織が動くはずなのに、この体たらく。三反園県政は、子供の安心・安全に興味がない。
 なにが「子育て支援住宅」か――。郷土の偉人「西郷どん」も、あの世で嘆いているに違いない。



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