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規範意識が鈍麻 鳩山二郎衆議院議員への辞職勧告

2018年1月17日 08:25

鳩山二郎&小池2.png 「規範意識が鈍麻している」――刑事事件において、検察がよく使う言葉である。ルールを守ろうという意識が鈍くなっていることを指すが、不適切な政治資金処理を繰り返し、私的な理由で国税庁に不当な圧力をかけたとされる鳩山二郎衆議院議員と金庫番秘書は、まさにその典型だろう。
 違法性が疑われる行為に走りながら平気で取材を拒否し、開き直る二郎氏と秘書――。この程度の人間たちに、国政に携わる資格があるのか?
(画像の写真が鳩山氏。同氏のFacebook投稿より)

■繰り返される違法行為
 昨日まで2回にわたって報じてきた通り、鳩山陣営の政治資金収支報告には信頼性がない。二郎氏が初当選した平成28年の衆院福岡6区補選を巡っては、告示前日まで活発に行っていた後援会活動にかかった支出が、一部選挙運動費用にカウントされているだけで、大半が収支報告書に記載されていない。虚偽記載が疑われるのは、確信犯的に収入と支出を隠したとしか思えないからだ。

 じつは、二郎氏が大川市長に当選した平成25年、鳩山陣営が今回同様のデタラメな収支報告を行っていたことが明らかになっている。二郎氏の資金管理団体「はとやま二郎後援会」は、同年の大川市長選の際に活発な「後援会活動」を展開していたにもかかわらず、これに見合う収入・支出を、同年の政治資金収支報告書に記載していなかったのだ。収入・支出ともに「0」として、虚偽の内容を報告したのは明らかだった。また、この時の市長選の総収入約500万円の内、100万円を「自由民主党福岡県第六選挙区支部」からの寄附としながら、同支部の政治資金収支報告書には該当する100万円の支出の記載がなかったことも分かっている。後援会の代表者は二郎氏本人。会計責任者は、国税当局への圧力で実名が報道された金庫番秘書・小澤洋介氏だった。

 大川市長選にからむ杜撰な資金処理については、28年にHUNTERが鳩山氏側に問題点を指摘。取材内容を報道していた。同年分の政治資金収支報告が福岡県選挙管理委員会に提出されたのは29年4月。つまり、鳩山二郎氏と会計責任者の小澤秘書は、違法な政治資金処理が問題視されているのを承知の上で、28年分の収支報告を行ったことになる。「知らなかった」「単なるミス」などという言い逃れができる話ではない。

 鳩山陣営による違法を承知の活動は、まだある。選挙期間中、公選法が設置を認める選挙事務所は1か所のみ。28年の補選で鳩山陣営は、本拠地久留米に正式な選挙事務所を構えながら、大川市、小郡市、うきは市など4カ所に陣営の統一キャッチである「義の政治」を掲げた拠点を設け、選挙期間中も事実上の選挙事務所として使用していた。鳩山陣営では、法律を無視した政治活動が常態化している。

■問われる政治家としての資質
 国税庁幹部との面談について報じられた後、小澤秘書と二郎氏は面談の事実を認めながら「圧力」を否定。国税側とのやり取りの詳細が明るみに出ていることを承知の上で、開き直る姿勢を見せている。特定企業の社名を挙げて善処を求めることは、明らかにルール違反。同席した時点で、二郎氏は政治家失格だ。詳しい説明が求められるところだが、二郎氏は正式な記者会見を開いていない。

 大川市長選や衆院補選における不適切な政治資金収支報告については、何度も文書による取材の申し入れをおこなってきた。しかし、いずれの場合も無回答。都合の悪い話になるとダンマリを決め込むというタチの悪さだ。陣営が繰り返してきた違法と思える政治資金処理や選挙活動をみても、「規範意識が鈍麻」しているのは確かだろう。問われているのは二郎氏の政治家としての資質。最低限の説明責任も果たせないというのなら、即刻辞職すべきである。



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