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三反園鹿児島県知事陣営に闇献金疑惑
“人件費”寄附が未記載 政治資金規正法違反の疑い

2017年12月 1日 08:40

1-鹿児島知事-2.png 昨年7月の県知事選挙で初当選した三反園訓鹿児島県知事陣営の人件費の一部を、三反園氏の支援者である会社社長が支払っていたことが分かった。
 こうして支払われた人件費は、確認できただけで200万円以上。そっくり三反園氏側への寄附になるが、30日に総務省と鹿児島県選挙管理委員会が公表した知事の資金管理団体「みたぞのさとし後援会三訓会」及び「みたぞのさとし後援会」の政治資金収支報告書には、該当する寄附収入が記載されていない。事実上の“闇献金”であり、すべてのカネの流れを報告するよう求めている政治資金規正法の規定に違反する疑いがある。(写真が三反園知事)

■残されていた「日報」
 HUNTERは、昨年4月から三反園事務所で働いた男性と、5月から働いたという2人の男性に取材。幕末維新に薩摩藩を率いた英傑の子孫S氏に誘われ4月から勤務したという男性は、告示まで三反園氏の運転手役を、選挙期間中は選挙カーの運転手を務めていた。この男性の知人で5月から三反園陣営で働いた男性は、知事の支援団体が仕立てた街頭宣伝車の運転や、事務所内の雑用を行っていた。

 三反園氏の運転手だった男性の勤務状況については、明確な記録が残っている。下は、その男性が事務所に命じられて記した「自動車運転日報」。精査したところ、これまでに分かっている三反園氏の行動と完全に一致している。

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 例えば、4月13日の日報にある銀行と郵便局への動き。この日、三反園氏は銀行から郵便局に向かっているが、関係者の証言と「選挙運動費用収支報告書」から、13日に600万円を銀行から借り入れ、同日中に郵便局の「みたぞのさとし後援会」口座に入金、翌日14日に後援会の会計担当が全額を引き出していたことが明らかになっており、日報の流れと一致する。そのほか、同窓会などの会合への出席状況と日報の記述のほとんどが合致している。

■雇い主は人材派遣会社の社長
 運転手役を務めていた男性への報酬は、前述S氏が勤務していた会社の社長H氏が支払う約束になっていたといい、人材派遣会社などを経営するH社長がいったん三反園氏側の後援会に振込みを行い、後援会の会計担当が、一定期間ごとに現金で男性に手渡ししていた。約束の勤務時間は朝9時から5時まで。日当は8,000円だったとしている。

 もう一人の男性の勤務時間は、朝8時半から5時半まで。日当は同じく8,000円で、こちらは会社社長H氏から、10日ごとに80,000円を受け取っていた。報酬の受け取りは、三反園氏の事務所内だったと話している。
 
 H氏から報酬を受け取っていた三反園事務所関係者は他にもいたというが、記録が残るなど明確な証明ができたのは2人。受け取った日当の合計は、100万円近い金額となる。

 三反園氏の関連政治団体は、総務省届出の「みたぞのさとし後援会 三訓会」と県選管届出の「みたぞのさとし後援会」。30日に公表された政治資金収支報告書を確認したところ、H氏からの寄附は、三訓会への2件計24万円のみ。前出2人の人件費とは大きくかけ離れた金額で、大半が未記載の状況となっている。

■残業代100万円 通帳に残された証拠
 最大の問題は、日当とは別に支払われた“残業代”が、まったく表に出てこないことだ。三反園氏の運転手ら3人は、約束の勤務時間を超えて毎日残業を余儀なくされた。H氏にその分を請求したところ、H氏の名前で3人分の残業代として100万円が運転手男性の銀行口座に振り込まれたという。下が、預金通帳の該当ページ。選挙戦最中の7月3日に、50万円づつ2回に分けて100万円が振り込まれていたことが分かる。

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 通帳にある100万円の記載は、みたぞの後援会を通さずに、直接スタッフに報酬が支払われた証拠。後援会活動に関する対価である以上、H氏から三反園陣営への“寄附”であることは明らかだ。加えて、もう一人の男性スタッフにも手渡しで現金を渡しており、これも“寄附”。隠された政治資金提供は、事実上の「闇献金」だった可能性が高い。

■人件費支払った社長―「覚えていない」
 30日、人件費を支払っていたH社長に事実関係の確認を求めたが、「覚えていない」を繰り返すばかりだった。

 三反園氏の政治資金を巡っては昨年、選挙運動費用収支報告書の記載から2,800万円にのぼる選挙余剰金があったことが発覚。その後、虚偽報告が疑われる事態となり、百カ所以上の修正に追い込まれるなど異常な資金管理の実態が明らかになっている。関連政治団体の収支が公表されたことで浮上した知事の新たな「政治とカネ」の問題。自身の運転手に関するカネの流れだけに、「知らなかった」では済みそうにない。

 さらに大きな金額の闇献金ではなかったのか――。取材を進めるうち、三反園陣営の政治資金収支報告と選挙運動費用収支報告に、別の法律違反が存在することも分かってきた。



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