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選挙スタッフが語る三反園訓鹿児島県知事の実像

2017年12月 7日 09:15

d8cb387429fff64cd69888c7f6d1f20c6e4db9b5-thumb-220xauto-22848.png 今月1日から4回にわたって三反園訓鹿児島県知事(写真)を巡る疑惑について報じてきた。大きく分ければ問題は二つ。まず、三反園陣営が作成した政治資金収支報告書や選挙運動費用収支報告書の“虚偽報告”があり、次に関連する形での県議会における“虚偽答弁”がある。
 三反園氏の知事就任以来、次から次に噴き出る疑惑。こうなるには、それなりの理由がある。知事の実像に触れた元スタッフや支援者が、告示前後に起きたことを何の躊躇もなく話すからだ。彼らは、異口同音に「この男を知事の座に据えたのは間違いだった」と憤る。
 三反園訓とは、どのような人物なのか――。12月になって冷え込みを増した南国鹿児島で、関係者に話を聞いた。

■元スタッフが語る三反園訓
 「気づいた時は、三反園の胸ぐらをつかんでいました。もちろん暴力はいけないことです。でも、私は選挙のスタッフである前に一人の人間です。牛や馬じゃない。三反園は、ただ昼食を食べに出ただけの私ともうひとりのスタッフを、『近くに居なかった』『何やってるんだ』などと怒鳴り、口を極めて罵倒したんです。形相も変わって、もの凄い声でした。人格を否定されたと思いました。思い出すだけで頭にくるような、酷いことを言われました。私は三反園に雇われていたんじゃない。ある会社社長が日当を払うというから、手伝いに行っただけ。一体何様なんだと思いました」――。そう話すのは三反園氏の運転手を務めていた男性。理不尽な対応に呆れた別のスタッフまで、三反園氏に「謝れ」と迫ったという。

 ある後援会関係者も、当時の様子を覚えていた。
 「いつか誰かが爆発するな、と思っていました。騒ぎが起きて、『あー、ついに』という感じだった。三反園さんは自分が一番偉いと思っているのか、スタッフに対する思いやりなど、これっぽっちもなかった。事務所に帰ってきても、『ご苦労さま』の一言がない。挨拶さえしない。すぐにキレる。ある時、三反園さんが挨拶に行った指宿の宿泊施設の女将さんから、『態度がなっていない。二度と来るな」とおしかりを受けたんです。横着というか、相当態度が悪かったんでしょうね。後援会の幹部が釈明に出向きましたが、本人はシラッとしたもの。反省しない。そういうことが重なり、事務所の中でも三反園さんの本性に気付く者が少なくなかった。毎日三反園さんを車に乗せていた運転手役のスタッフは、なおのことだったでしょうね」

■支持者の面前で女性記者を罵倒
 選挙中の遊説先でも、問題を起こしていた。街宣隊の一員が振り返って言う。
「薩摩川内でのことでした。当時は、三反園さんがいつ原発のことに言及するのか注目されていました。反原発派と手を結んだというのに、第一声からずっとゲンパツのゲの字も出てこない。あるテレビ局の女性記者が、何度も原発がらみの質問をぶつけていたんですが、三反園はそれが気に食わなかった。その女性記者が、演説会場の後ろの方で、なにげに笑顔を見せたんです。それを見とがめた三反園は、移動の街宣車の中で『あの記者、ふざけてる』。形相が変わってましたが、次の会場で、演説中の三反園がマイクを握ったままその女性記者を罵倒しはじめたんです。『人が話している時に、笑うな』というんですよ。それから延々と5分近くその記者を攻撃したんです。2~30人集まっていて、みんな話を聞いてるんですよ。ボロクソ言われた女性記者がかわいそうでした。スタッフも支持者も呆れていましたね。他の記者もいたんですが、選挙中だから記事にできない。候補者の悪口は言えないですよね。三反園は、それを分かっててやってたんです。最低の男ですよ」

 県職員を怒鳴りつけ、気に入らない話になると相手を罵倒するという三反園氏。選挙前も後も、本質は変わっていないようだ。

■同級生県議を「叩き落す」
 キレると止まらなくなるという三反園知事。移動の車の中でも、言いたい放題だったという。例えば、高校の同級生だという自民党県議に関しては「絶体、叩き落してやる」。自分を応援しないことが気に入らないという単純な理由だったが、数分間悪口が続いたという。選挙公約で無料化をうたった指宿スカイラインを通る時には、決まって「なんでこんな道路に金を払わなきゃならないのか!」――。運転担当者は、「気が変になりそうだった」と話している。

 ちなみに、「指宿スカイラインの無料化」を選挙公約に掲げた三反園氏は、知事就任後、指宿スカイライン山田インターチェンジのフルインター化や自動料金収受システム(ETC)導入に約36億円の予算を計上。今月1日には16億円をかけたETCの完成式で、笑顔を振りまいていた。無料化は大嘘だったことになる。関係者の間では、“嘘つき”が知事の代名詞。騙されたのは「県民」である。



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