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戦略特区に新たな疑惑(1) 福岡市空港アクセスバスで“お友達優遇”か

2017年10月18日 08:10

000-royalbus-1024x826.jpg 総選挙のゴタゴタで、影が薄くなった加計学園の問題だが、国家戦略特区を巡る疑惑は地方にも存在した。
 福岡市が今年4月から導入した「空港アクセスバス」に関する市への情報公開請求で、同事業が、“お友達特区”を象徴するような経過で決まっていたことが明らかとなった。
 空港アクセスバスを運行する会社の代表者は、高島宗一郎市長に近い人物。安倍晋三首相と最も親しいと言われる首長と政府に、市長のお友達が優遇された可能性がある。
(右は、福岡市の公式サイトにある空港アクセスバスのPR)

■情報公開 ― 理由なき決定期限延長
 空港アクセスバスは、国家戦略特区を利用した“特例”の事業。現行では認可が必要な運賃を「届出」で済ませ、30日前に届出が義務付けられた運航計画を「7日前」でOKにするという、バス事業者にとってはありがたい内容となっている。今年4月から市内に導入された空港アクセスバスを運営する会社の代表者が高島市長に近い人物だったことから、9月13日付けで関連文書の情報公開を請求していた。

 ところが、国家戦略特区を利用した事業を所管する市総務企画局企画調整部は、国にお伺いを立てなければ、開示決定できないとして≪対象公文書が国と関連するものであるため、国との調整に時間を要しており、期間内に決定を行うことが困難であるため≫との理由で開示決定期限を20日間延長していた。(下が開示決定期限の延長通知。赤い囲みはHUNTER編集部)

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 国家戦略特区に関する事業であることは確かだが、文書を保有しているのは福岡市。国の判断と市の判断は別であり、なにより、福岡市は独立した行政機関だ。「自治」の原則からいっても、保有文書の開示・不開示を決めるのに国の都合を聞くのは間違いだとして抗議したが、市側は受け容れず、期限ギリギリまで開示決定を引っ張っていた。開示決定は今月13日である。

■崩れた延長理由
 開示文書の説明を求めたため、実際の文書開示は17日。ざっと確認してみたが、国にお伺いを立てなければ開示できない文書は1枚もない。公文書公開決定通知にも、“非開示”の文書があるとは記されていない(下が開示決定通知)。開示決定期限延長の際に市側が主張した≪国との調整に時間を要し≫という理由に、疑義が生じたということだ。

1-開示決定文書.jpg

 担当課長に、一連の文書のどの部分について国と協議したのか聞いたところ、とんでもないことを言い出した。課長の言い分は「(戦略特区)ワーキンググループの議事録がなかったため、内閣府に議事録の確認と、いつ頃公表するのか聞いていた」――。もっともらしい言い訳だが、情報公開の原則を逸脱するもの。理由になっていない。

 一般的に、開示対象となるのは請求者が情報公開請求をかけた時点で行政機関が保有している文書。市が保有していない議事録の存否や将来の公開時期など、調べる必要がない。請求後に入手した公文書があれば、その事実を請求者に告げた上で、再度公開請求をかけるように告げるのが普通だ。存在しない文書を盾に、開示決定を延期するなどあってはならないことだろう。情報公開を引き延ばしたのは、“見せたくない文書”や“知られたくない事実”があるからではないのか――。案の定、開示された文書を読み込んでみると、空港アクセスバスの導入経過は、加計学園のケースと同じような「お友達優遇」ともとれる構図の上に成り立っていた。

■膨らむ疑念
 詳細については次稿から報じていくが、とんとん拍子に事が運んだところは、まさに加計学園の獣医学部新設と同じ。「今年4月」という導入時期を前提として、事業者公募から決定までわずか18日間福岡市が特区申請してからだと、たったの10日間で事業者が認定されていた。前述した通り、空港アクセスバスを運営する会社の代表者は高島市長と近い人物。過去に経済事件を引き起こしたこともあり、最近は「市長の私設秘書とくっついている」(市関係者の証言)とされている。事業の背景に特別な関係があったのではないか――。開示された文書と市側の対応によって、その疑念は大きく膨らむことになる。

(つづく)



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