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福岡市「お友達市政」の証明 戦略特区に新たな疑惑(2)

2017年10月19日 09:05

0000-royalbus-1024x826.jpg 国家戦略特区を活用した事業の一環として今年4月から福岡市で運行されている「空港アクセスバス」の導入過程で、加計学園の獣医学部新設と同じようなお友達優遇があった疑いが浮上した。
 福岡市への情報公開請求で入手した資料から、市の所管課が、バス事業者の経営実態も確認せずに特区申請するなど杜撰な対応を行っていたことが判明。国家戦略特区諮問会議が事業者の認定に至るまでの期間はわずか10日で、結論ありきの特区認定となっていた。
 空港アクセスバスを運営する会社の代表者は、高島宗一郎福岡市長や市長の私設秘書と近い人物。国と市が、そろって便宜供与した可能性がある。(画像は、福岡市の公式サイトより)

■経営状況確認せず
 国家戦略特区に、空港アクセスバスの事業者認定を求めたのは福岡市だ。現行では容易ではない“新たなバス路線”を開設する事業である以上、運営企業の経営実態や代表者について基本的な調査をするのは当然なのだが、信じられないことに、福岡市はこれを怠っていた。

 情報公開請求で入手した関連文書の中には、運営企業の財務諸表はもちろん登記簿さえない。この点について福岡市側に確認したところ、財務諸表や登記簿を取得していなかったことを認めた上で、「経営状況の確認はしていない」という。

 “その代わり”ということらしいが、「(事業者の)会社に職員がうかがった時に株主総会の資料を見せてもらい、(市との交渉を行っていた人物が)代表権を持っていることを確認した」と言う。これでは会社の実態を調べたことにならない。代表者の素性と企業の経営実態には何の関係もないからだ。子供じみた釈明に、怪しさが増す格好となった。

 ちなみに、民間の調査機関による調べでは、福岡市で空港アクセスバスを運営している会社の昨年7月決算期の売上が約5億3,000万円で、3億2,000万円以上の赤字。直近4年の売上は約1億6,000万円から7億までと幅が大きく、平成25年7月期に約1億円の赤字、26年同期にも約5,300万円の赤字を計上していた。黒字は一昨年だけ。バス路線を維持する体力に、疑問が生じる経営状況と言うしかない。

■加計と同じ―とんとん拍子で事業者認定
 杜撰な調べで事を進めた福岡市。戦略特区の事業者を決める国の議論もいい加減なものだった。下は、空港アクセスバスの事業者が認定されるまでの流れをまとめた表だ。

00-空港バス.png

 市側の説明によれば、空港アクセスバスの事業が特区認定されたのが平成26年12月。「これだけでは何のことだか分からなかった」(市側説明)ものが、昨年7月に特例の詳細が通達されたことで、現実的な話になったという。

 9月に、市内で旅行業を営む人物が市側に空港アクセスバスの内容を尋ねてきたことから話が進んだと言うが、それから後はとんとん拍子。旅行会社の「関連企業」だとされるバス会社をろくに調べもせずに特区申請し、今年2月の戦略特区諮問会議で事業者を認定。4月には事業を開始していた。

 事業者公募のスタートが2月3日。1週間で福岡市から国への提案が行われ、特区諮問会議は、わずか10日で結論を出している。異常な早さは、結論ありきだった加計学園のケースと同じだ。

 誰が見てもおかしな流れであることが分かる福岡市の空港アクセスバス。運営会社の経営状況を調べなかったのは、市側との交渉にあたった人物が市長と近い立場にあったからではないのか――。そうした疑念を持たれてもおかしくない状況だ。次稿では、さらに詳しく検証を進める。



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