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政治の惨状(上) 国民から乖離した自民党と民進党

2017年8月21日 09:10

gennpatu 1864410756.jpg 森友、加計と続いた学校建設絡みの疑惑で、支持率を大幅に減らした安倍政権。ようやく「一強」の終焉かと思いきや、民意を受け止めてくれそうな受け皿が見当たらないという悲しい現状がある。報道各社の世論調査でも、無党派層の増大は顕著。「誰がやっても同じ」「政治に期待するだけ無駄」――政治不信を招いているのが与野党の政治家たちであるだけに、病状は深刻と言えるだろう。
 よくよく眺めてみれば、安倍首相をはじめ国会議員も地方政治家も嘘つきばかり。政治家である以前に、人として最低の輩が幅を利かせる時代である。送られてくる読者メールは、現状を嘆くものばかり。この国の民主主義が、機能不全に陥っている。
 改めて、国政と地方政治の実情について取材結果と読者の声を中心にまとめた。まずは、自民党と野党第一党の民進党について。 森友、加計と続いた学校建設絡みの疑惑で、支持率を大幅に減らした安倍政権。ようやく「一強」の終焉かと思いきや、民意を受け止めてくれそうな受け皿が見当たらないという悲しい現状がある。報道各社の世論調査でも、無党派層の増大は顕著。「誰がやっても同じ」「政治に期待するだけ無駄」――政治不信を招いているのが与野党の政治家たちであるだけに、病状は深刻と言えるだろう。
 よくよく眺めてみれば、安倍首相をはじめ国会議員も地方政治家も嘘つきばかり。政治家である以前に、人として最低の輩が幅を利かせる時代である。送られてくる読者メールは、現状を嘆くものばかり。この国の民主主義が、機能不全に陥っている。
 改めて、国政と地方政治の実情について取材結果と読者の声を中心にまとめた。まずは、自民党と野党第一党の民進党について。

■そして皆いなくなった
 内閣改造の目的が、疑惑隠しにあったことは歴然だ。「人心一新」と言えば聞こえはいいが、稲田朋美前防衛相、山本幸三前特区担当相、松野博一前文科相、萩生田光一前官房副長官といった問題児を交代させ、国会に呼ばれることのないよう、閣外に逃がしただけの話だろう。次の国会でも、閣外に去った政治家たちが議場で説明責任を果たすことはないと見られている。

 ある自民党の議員は、自嘲気味にこう話す。
「安倍さんの時代は終わった。自民党は、“次の総理・総裁を誰にするか”で動き出している。自衛隊の日報問題ではダンマリを通せても、加計学園の問題は収束しそうにないからだ。時間が経つほどに、次々と怪しい証拠が出る始末で、来年4月の獣医学部開設にも黄信号、いや赤信号が点滅し始めている。安倍さんが国会で、『加計学園の獣医学部新設を知ったのは今年1月』と述べたのは致命傷。いずれ、この発言も嘘だったことが明らかになるはずだ。そうなると、政権はもたない。再来年は、天皇陛下の代替わりの年。安倍内閣で次の元号を決めるとなると、何かと反発が出ることも予想される。早い時期に、新しい総理・総裁を決め、勝てる体制を作ってから総選挙に打って出るしかない。安倍さんでは、選挙は勝てない。もっとも、安倍独裁を許してきたのは私ら自民党の議員。責任がないとは言えないが……」

 加計疑惑に対し、首相が約束した「国民の声を真摯に受け止める」も「丁寧な説明」な真っ赤な嘘。内閣改造のご祝儀で、わずかながら上がった支持率も、依然として不支持が支持を上回っていることに変わりはない。それでも政党支持率は、野党第一党の民進党の3倍以上。囁かれる「年内解散」が、現実味を帯びる状況となっている。小池新党の準備不足と迷走する民進党の隙をつこうという魂胆だ。

■漂流する民進党
 蓮舫氏に戸籍を公表させるというバカなまねをさせておいて、自民党を追い込むべき大事な時期に代表選。国民の意識と乖離した民進党が、漂流を続けている。

 代表選に立候補を表明しているのは、前原誠司氏と枝野幸男氏。前原氏は民主党政権時代に国交相や外相を歴任、枝野氏は官房長官として東日本大震災への対応にあたった、いわゆる「昔の名前」組だ。前原氏には偽メール事件で代表を辞任するという大失態を犯した過去もあるが、今回は新代表にもっとも近い位置にあるという。いずれが蓮舫氏の後を継いでも、党勢回復への道筋は不透明。そもそも、野党第一党の代表選だというのに、国民の関心は薄く、盛り上がりに欠けるのが現状だ。

 九州北部の地方都市で民進党を支持してきたという、40代男性会社員の話が分かりやすい。
「民進党に期待しろという方が無理でしょう。別の受け皿があれば、そっちを応援しますよ。大した人材もいないのに、内部では足の引っ張り合いばかり。かつては小沢(一郎)さんを追い出し、今度は蓮舫さんを辞めさせた。その陰湿さは、内部抗争を繰り返してきた労働組合と重なっている。そもそも、連合という労働組合自体が、国民の暮らしと隔絶した存在になっており、組織率は年々落ちる一方じゃないですか。私も組合員だった時期があるが、労組が組合員の味方だというのは幻想。民間労組の幹部は労使一体ですよ。自治労のお偉いさんたちは、国会や地方議会に出てバッジをつけて税金で飯を食っているのが現実。末端の組合員は、何一ついいことなどない。民進党が本気で政治を変えようというのなら、労組依存から脱し、真剣に国民と向き合うしかない」

 男性会社員のコメントに同意する有権者は少なくないはず。内部抗争は、旧民主党時代から続く民進党の恒例行事で、同党が“挙党一致”とは無縁の組織であることは明らかだ。憲法や原発といった重要課題についても党としての明確な意思を示せておらず、この政治集団の何に期待すればいいのかまったく分からない。支持母体である連合も、左の旧総評系と右の旧同盟系では考え方がまるで逆。「残業代ゼロ法案」を巡ってのドタバタで、労働者の味方というレッテルも剥げている。そうした中、泥船から逃げ出すネズミのように、次々と所属議員が離党。小池新党に乗り換える動きが出ている。

■「○○ファースト」の危うさ
 安倍自民党の補完勢力となった「日本維新の会」を尻目に、次の総選挙で台風の目になると見られているのが小池百合子東京都知事の主導で誕生する見込みの新党。すでに、小池氏の側近議員が政治団体「日本ファースト」を立ち上げている。東京都議選における「都民ファースト」の躍進は記憶に新しいが、この集団が国政の場でどのような政策を打ち出してくのかは不透明。トランプ大統領の「アメリカファースト」にダブるネーミングに、首を傾げる向きも多い。民進党を離党した細野豪志氏らとの連携に注目が集まっているが、しょせんは一過性の騒ぎ。小池人気が下降すれば、党としての存在意義をなくすはずだ。それでも、小池人気にあやかりたいという安易な考えの方々は後を絶たず、地方の首長選などで「○○ファースト」を名乗る事例が続出している。かつては橋下徹、いまは小池百合子。マスコミがつくる虚像に、踊らされるのは有権者だけではない。

 東京都内に住む、50代自営業男性からの読者メール。
「小池さんに絶対的な信頼を寄せているわけではないが、私は(都議選で)都民ファーストの候補に一票を投じました。自民党には絶望しましたし、かつて裏切られた民進党を支持するつもりはありません。私は保守を自認していますから、主張は一貫していますが、共産党というわけにはいきません。いまのところ、小池さん支持。しかし、豊洲移転問題やオリンピックへの対応には、正直『大丈夫かな』と思わざるを得ません。国政と都政は違います。○○ファーストも結構ですが、きちんとした政治理念を持った自民や民進に替わる政党ができることを望みます。

■政治の劣化、地方でも
 維新やファーストが流行る裏にあるのは、受け皿不在がもたらした政治不信。自民党や民進党に、切磋琢磨してこの国の民主主義を磨いていこうという覚悟がないからだ。小選挙区制の弊害で、風向きが変わる度に「チルドレン」が大量当選し、政治を劣化させてきたのも事実。自民党「魔の2回生」が良い例だ。平気で癖で嘘をつく首相や防衛大臣にならって、平議員たちも軽い言動で有権者を裏切っているのが現状だろう。劣化する一方の日本の政治。地方政治の舞台でも、とんでもない政治家が増殖している――。

(以下、次稿)



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