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戦略特区疑惑 次は医学部 
注目集める「高邦会グループ」

2017年7月 7日 08:55

 森友、加計と来て最後は「高邦会」。戦略特区を巡る疑惑の一つとして、全国各地に病院などの医療関連施設を展開している「国際医療福祉大学・高邦会グループ」が、今年4月に千葉県成田市で開学した医学部の新設過程に注目が集まっている。
 「国際医療福祉大学医学部」の特区認定を得る過程は、まさに加計学園のモデルケース。議論の回数こそ多かったものの、「高邦会ありき」で事が進んでいた。

■政治力の「高邦会」
 下は、加計学園の獣医学部新設を巡る問題で、政府が存在を認めた「文科省文書」のうちの一部。『成田市』という文字が何度も出てくる。

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 加計の獣医学部新設について、成田市ほどの時間はかけられないという脅し。だからこそ異常な議論過程なのだが、ここで比較対象として出てくる成田市こそ、学校法人「国際医療福祉大学」(栃木県大田原市)が今年4月に開学した医学部の新設を特区申請した自治体である。国内の医学部施新設は38年ぶり。政府が言う「岩盤規制」の一つだった。

 国際医療福祉大学は、全国各地に病院や大学などを展開している「国際医療福祉大学・高邦会グループ」の中核法人。同グループは福岡県大川市が発祥で、都内にある山王病院や国際医療福祉大学など知名度の高い医療関連施設を運営している。

 大学の本校舎があるのは栃木県大田原市。創設にあたっては、副総理や蔵相、外相などを歴任し栃木を地盤としていた故・渡辺美智雄氏の力添えがあったとされ、高邦会の有力政治家と結びついた展開手法は以前から知られていた。その高邦会グループが悲願としてきたのが医学部新設。病院をはじめ多数の医療関連施設を有していたものの、唯一なかったのが医学部で、国家戦略特区は政治力にモノを言わせる高邦会グループにとって願ってもない制度だった。

■医学部公募、たったの7日間
 国家戦略特区の医学部新設を巡る議論過程を確認してみると、まさに加計学園・獣医学部のモデルケースとなっていることが分かる。前掲「文科省文書」に記述されているように、国家戦略特別区域会議、同ワーキンググループ、区域会議分科会での議論はかなりの回数。時間をかけて慎重に事を進めた形だが、議事録の記述を追うと「高邦会ありき」で走ったことは明らかだ。下に、議論経過をまとめた。

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 特区会議での議論➡医学部新設を1校限りで認める文科・内閣府告示➡事業者公募➡1者応募――。加計の場合と同じ経過だ。注目すべきは赤字で示した医学部新設の事業者公募期間。獣医学部の公募期間は8日間だったが、医学部新設はたったの7日間しかなかった。他に手を挙げるところがなかったとはいえ、形だけの公募。出来レースと言われてもおかしくはあるまい。

 加計と高邦会。事業者選定の過程も同じなら、校舎建設の事業形態も同じで、20億円とも言われる土地は成田市の無償提供。160億円の校舎建設費用のうち、半分の80億円を千葉県と成田市が拠出していた。特区を利用した1校限定の学部新設。土地の無償譲渡。建設資金投げ渡し――。まさに、加計のモデルケースである。ただし、「ご意向」を発したのは安倍首相ではない。永田町や霞が関では、菅義偉官房長官など複数の名前が囁かれている。 



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