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不正の温床 福岡市「原課発注」の実態(1)
入札結果は非公表

2017年7月20日 08:25

市役所.jpg 福岡市がホームページ上で公表している「入札結果」以外に、検索しても見つけることができない入札案件が多数存在し、その数が1年間に500件以上、金額にして約40億円あまりに上ることが分かった。
 事業ごとに所管課(原課)が直接入札を行う「原課発注」の入札結果が公表対象から外されているせいだといい、市民の目が届かないところで、役所と業者だけのやり取りが行われている形だ。
 事業の実施にあたっては、財政局契約課を通して入札を管理するのが原則。例外的な発注形式が存在することで、不正の温床になっている可能性がある。(写真は福岡市役所)

■落札率95%以上が5割
 HUNTERが、原課発注に係る関連文書の情報公開請求を行ったのは今年3月。市のホームページ上で入札結果が検索できない事業があったことから、昨年4月から今年3月までの1年間に、検索結果に反映されない入札の件数と落札金額が分かる文書の開示を求めていた。
(下は、市のホームページ上にある入札結果の画面)

20170720_h01-01.jpg

 開示されたのは、原課が発注した設計、調査、コンサル、施設管理、清掃といった事業ごとの「入札結果表」。精査したところ、今年度3月初旬までの事業として528件が「原課発注」となっており、金額にして39億5,674万1,865円が費消されていた。

 529件中、96件の委託事業が1,000万円を超える金額で、4,000万円~7,000万円台といった高額な事業も多数ある。183件の入札結果表には「入札予定価格」が記入されておらず落札率が計算できないが、残り345件のうち約5割にあたる176件の事業が、一般的に談合を疑われる「95%」を超える落札率となっていた。

 福岡市の入札は財政局契約課が管理し、結果を市のホームページ上に公表するのが原則のはず。こうも多数の原課発注がまかり通る現状は、情報公開を進めるべき役所が、市民の目を盗んで不正の温床を育てているようなものだ。市側に疑問をぶつけてみたところ、契約課は「原課発注事業の入札状況については、契約課に情報が上がっておらず、ホームページ上で結果を公表できていない」としている。

■識者からも改善求める声
 市のホームページ上で検索できない入札結果があること自体が不適切。行政の在り方に詳しい市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は、次のように話している。
「ホームページ上の検索結果に反映されていない入札があるとは思ってもみなかった。福岡市は、すべての入札結果を公開しているものと考えていたし、市民も同じ見方をしているだろう。これでは、市民を欺いたと言われてもおかしくない形だ。また、高い落札率は談合の証拠ともとれ、原課発注が不正の温床になっている可能性も否定できない。調査対象を広げて実情を精査する必要があるが、まずは市が早急に改善策を講じるべきだろう」

 なお、原課発注の実態については、次週から順次配信していく予定だ。



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