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義家文科副大臣に学校法人から政治資金

2017年7月 4日 08:40

1-よしいえ.png 教育行政を歪めているのは、やはり自民党の政治家だろう。義家弘介文部科学副大臣の資金管理団体「義家弘介後援会」が、神奈川工科大学を運営する学校法人「幾徳学園」(厚木市)から、パーティー券購入の形で政治資金を提供されていたことが分かった。
 幾徳学園は、平成27年5月と10月に開催された義家後援会の政治資金パーティーで、それぞれ30万円づつ計60万円のパーティー券を購入。このうち10月のパーティー券購入は、義家氏が副大臣に就任した直後だった。
 大学を運営する学校法人を所管するのは文科省。許認可などで利害関係が生じる相手からの政治資金提供に、批判の声が上がりそうだ。
(写真が義家氏。同氏の公式サイトより)

■副大臣就任後に30万円
 かつて「ヤンキー先生」の呼び名で人気を集めた義家氏は、参院1期、衆院2期の中堅議員。政界入りしてからは文教畑一筋で、これまで自民党文部科学部会長や文科大臣政務官を歴任したほか、平成27年10月からは文科副大臣を務めている。
 
 義家後援会が総務省に提出した政治資金収支報告書によれば、同後援会は、平成27年6月に開催した政治資金パーティー「義家ひろゆき深緑政経セミナー2015」のパーティー券代30万円を5月25日に、同年11月19日に開催した「義家ひろゆきと日本再生を語る会」のパーティー券代30万を10月23日に幾徳学園側から受け取っていた。(*下が、収支報告書の記載)

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 幾徳学園は、昭和50年開学の神奈川工科大学(前身は「幾徳工業大学」)を運営。問題の政治資金パーティーが開催された平成27年には、4月に工学部臨床工学科と看護学部看護学科を新設している。

 2件のパーティー券購入のうち、27年5月の30万円は2学科新設の翌月。10月23日の30万円は、義家氏が文科副大臣に就任した10月6日の2週間以上あとに実行されている。学校法人が、許認可権を有する文科省の副大臣に政治資金を提供したのは事実。ただちに違法性のある資金提供とは言えないが、裏に「請託」があれば賄賂性が問われることになる。李下に冠の教え通り、政治倫理上、容認されるカネの流れとは言えまい。

■学園側「他にもパー券購入」 義家氏側は事実上の取材拒否
 政治資金提供の実態について義家後援会側に確認を求めたところ、不誠実極まりない対応で、事実上の取材拒否。一方、幾徳学園側は、同学園の総務部長が次のように話している。
「パーティー券のお付き合いをはじめたのは5年ほど前から。指摘の2件はたまたま(参加した)人数が多かったということで、(収支報告書に記載義務のある)20万円以下のパーティー券購入は、ほかに何度もあったと思う。パーティーへの参加は、情報収集のため。(義家氏側に)お願いごとをしたことは一度もない」

 加計学園の獣医学部新設をめぐる国会審議で、内部告発した文科省職員への処分をチラつかせ、脅しをかけたとして批判を浴びた義家氏。自らの政治資金についても、説明責任を果たすつもりはないらしい。義家氏側とのやり取りについては、次の配信記事で詳述する予定だ。



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