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トップ当選の町議 選挙違反逃れに口裏合わせ

2017年7月14日 08:45

0-浪瀬氏.jpg 今年4月に執行された町議会議員選挙の直後に支持者ら数十人を集めて飲食を提供し、公職選挙法が禁じる買収(供応接待)の疑いが持たれている鹿児島県南大隅町の浪瀬敦郎議員(70)が、関係者に嘘の証言をするよう依頼していたことが分かった。
 選挙違反の摘発を逃れるため、口裏合わせを図ったと見られており、事情を知った同町関係者から刑事告発を模索する動きが出ている。
(写真が、浪瀬町議。南大隅町HPより)

■トップ当選後、「打ち上げ」と称して供応接待
 HUNTERの取材によれば、町議選でトップ当選した浪瀬議員側が、選挙の「打ち上げ」(陣営関係者の表現)を行ったのは、投開票日から2日後の4月18日。議員サイドから「選挙の打ち上げ」「選挙でお世話になった人たちへの御礼」などと参加を呼びかけ、選挙事務所となっていた議員宅で鉢盛の刺身や仕出し料理をふるまっていた。打ち上げ参加者は、「出された料理を食べただけ」「会費は支払っていない」などと話しており、浪瀬氏側が会費を徴収していなかったことも明らかとなっている。

 HUNTERが南大隅町選挙管理委員会に情報公開請求して入手した選挙運動費用収支報告書と領収書の記載によれば、浪瀬氏の陣営は、町議選の投開票が行われた4月16日の翌日と翌々日に、食材及び仕出し弁当の支出として4件計93,904円分を計上している。(*下が、浪瀬氏の選挙運動収支報告書)

1-浪瀬収支報告.jpg

■選挙違反逃れに裏工作 
 浪瀬議員周辺の証言によれば、口裏合わせが行われたのは、6月19日にHUNTERが浪瀬陣営の選挙違反疑惑を報じた直後。20日から22日頃にかけて浪瀬氏側から、4月17・18の両日に支払われた料理や食材の代金が、15日までの選挙期間中に購入した分の“後払いだった”と証言するよう指示が出ていた。裏工作を受けた業者らは、報道機関の取材や周辺に対し「選挙中に届けた分の支払いを、選挙が終わってから受けた」などと事実と違う話をしていることが分かっている。

■町民から刑事告発の動き
 町議選トップ当選の議員側による買収行為と隠蔽のための汚い裏工作。事情を知った同町のある住民は、「森田(俊彦)町長の接待疑惑に続いて町議の買収疑惑。これは町の恥だ。言い逃れや隠蔽で町議の座に居座ろうというのなら言語道断。多くの町民がこの事態を憂えており、刑事告発してでも歪んだ町政を糺したい」と話している。



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