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不要な黒塗り一転開示 歪む福岡市の情報公開

2017年6月 5日 09:55

市役所 44.jpg HUNTERの記者から情報公開請求された福岡市が、隠す必要のない記述を黒塗り非開示にしていたことが分かった。
 記者の抗議を受けた市は、一転して非開示決定を取消し。黒塗り部分を改めて開示したが、当初の間違った判断について、整合性のある説明ができていない。
 高島宗一郎氏の市長就任以来、情報公開条例の恣意的運用が目立つ福岡市。「知る権利」を軽んじる姿勢は、教育不正で揺れる安倍政権と同じのようだ。(写真は福岡市役所)

■HUNTERの請求に「ハンター」を黒塗り
 HUNTERが情報公開請求していたのは、昨年報じた博多祇園山笠「東流」の不正経理問題に関する文書。報道を契機に「ガラス張りになった」(東流関係者の話)という会計処理の実態とその後の取り組み状況を調べるため、東流側が市に提出した書類等の開示を求めていた。所管は、福岡市経済観光文化局国際経済・コンテンツ部にぎわい振興課である。

 福岡市が開示したのは、一連の報道を受けて東流が提出した報告書や決算書など数十枚。このうち、2枚の文書の非開示部分に、明らかな問題があった。まず下の文書。当初にぎわい振興課が開示した文書の通りに画像処理した。一カ所が「黒塗り非開示」となっている。

20170605_h01-01.jpg

 昨年、東流に対し不正経理の指摘を行ったのは弊サイト。加えて、福岡市に、サイト名の前に「ニュースサイト」と付くメディアは、HUNTERだけだ。前後の文脈からして、黒塗りになっているのは「HUNTER」もしくは「ハンター」。にぎわい振興課は、請求者がHUNTERの記者であることを知っており、隠す必要のない情報であることを承知で、黒塗りにしたことになる。同様に、幣サイトの名称を黒塗り非開示にした文書がもう1枚。下が、その該当部分である。

20170605_h01-02.jpg

■不要な黒塗り、間違い認めぬ担当課長

 なぜ、該当部分を黒塗り非開示にしたのか――。にぎわい振興課に説明を求めたところ、同課の三笘和弘課長は「法人情報だから非開示にした」と言う。福岡市情報公開条例に規定している開示の例外規定のうち、≪公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある法人の情報≫にあたるという論法だ。しかし、自社の情報についての開示を受けて、HUNTERが不利益を被ることなどない。請求は記者の個人名で行ったが、記者=HUNTERであることは、課長自身が「知っていた」と認めていること。市側の説明は不合理であり、条例の規定から外れるものだ。他の部分の非開示理由にも疑念が生じることから、記者が猛然と抗議したのは言うまでもない。間違いを認めようとしない課長に、開示決定通知とともに開示された文書を突き返した結果、翌日になって出てきた文書は、下のように黒塗りが無くなっていた。

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 やはり、非開示になっていたのは「ハンター」というサイト名。別の文書で、わざわざ2カ所の同一名詞を消したのは、にぎわい振興課が意図的に黒塗りにした証拠だろう。抗議を受けて決定内容を取消したことを見ても、情報公開条例を恣意的に運用しているのは確か。これでは情報公開の信頼性が担保できない。たまたま黒塗り部分の記述が予想できたから非開示決定を覆せたが、そうでない場合は、請求者にとって必要な情報が隠蔽されることになる。

■歪む市政
 福岡市の情報公開に信頼性があったのは、山崎広太郎元市長の時代まで。吉田宏前市長時代に、市立こども病院の現地建替え資料を隠蔽した頃からおかしくなり、高島市政下では最悪の状態になっている。市にとって都合の悪い案件に関しては、正当な理由もなく開示決定期限を延長することが常態化。あるはずの文書を「ない」と強弁し、請求者の追及を受けて「他の書類に紛れ込んでいた」というケースもしばしばで、職員が文書の隠蔽を白状した事例もある。ちなみに、福岡市情報公開条例は第1条で次のような目的を掲げている。

≪日本国憲法の保障する住民自治の理念にのっとり、市民の知る権利を具体化するため、公文書の公開を請求する市民の権利を明らかにし、あわせて情報公開の総合的な推進に関し必要な事項を定めることにより、市の保有する情報の一層の公開を図り、もって市政に関し市民に説明する市の責務が全うされるようにするとともに、市民の監視と参加の下にある公正で開かれた市政の推進に資することを目的とする≫

 条例の趣旨が歪められている現状について、情報公開制度に詳しい市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は、こう話す。
「必要な情報を開示するのは役所の使命。福岡市は、いまの政権と同じで情報公開の重要性が分かっていない。今回のケースは、隠す必要のない情報を確信犯的に黒塗りにし、抗議を受けあわてて開示に応じたという格好。条例を恣意的に運用している証拠だろう。職員が、自分たちの都合や気分で開示・非開示を決めている可能性がある。福岡市は、情報公開条例の趣旨が理解できていない」

 情報公開条例を無視した制度の恣意的運用がまかり通る福岡市。歪む市政の影響か、職員の質は低下する一方だ。不必要な情報隠しを行っていたにぎわい振興課の課長は、HUNTERとのやり取りの中で、とんでもない言動に及んでいた。詳しくは次の配信記事で――。



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