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本土最南端の町 トップ当選の町議に買収の疑い

2017年6月19日 07:35

0-浪瀬氏.jpg 今年4月に執行された鹿児島県南大隅町の町議会議員選挙でトップ当選を果たした浪瀬敦郎議員(70)の陣営が、選挙直後、支持者ら数十人を集めて飲食の提供を行っていたことが明らかとなった。
 提供されたのは、仕出しや刺身の鉢物など約9万円分の料理。HUNTERの取材に答えた複数の関係者が「選挙中、(浪瀬町議が)世話になった人たちを集めての打ち上げ」「出された料理を食べただけ」などと話しており、会費を支払っていないことも認めている。
 公職選挙法が禁じる買収(供応接待)にあたる可能性が高く、同町議の進退がかかる事態だ。
(写真が浪瀬敦郎南大隅町議。同町HPより)

■選挙後の「打ち上げ」に鉢盛、仕出し
 浪瀬議員は当選2回。2期目を目指した今年4月の選挙で498票を獲得し、トップ当選を果たしていた。HUNTERが南大隅町選挙管理委員会に情報公開請求して入手した選挙運動費用収支報告書と領収書の記載によれば、浪瀬氏の陣営は、町議選の投開票が行われた4月16日の翌日と翌々日に、食材及び仕出し弁当の支出として4件計93,904円分を計上していた。下が、報告書の該当部分と支出を証明する書類である(赤い囲みはHUNTER編集部)。

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 HUNTERの取材に対し、複数の業者が報告書及び領収書記載の日に料理や食材を届けたことを認めており、選挙後の飲食提供だったことは明らか。注文を受けた際、事務所側から「選挙の打ち上げ」と聞いた業者もいる。

■“会費なしの打ち上げ”参加者認める
 「打ち上げ」に参加した複数の関係者によれば、浪瀬議員側が飲食の提供を行ったのは4月18日。議員サイドから「選挙の打ち上げ」「選挙でお世話になった人たちへの御礼」などと参加を呼びかけられ、選挙事務所となっていた議員宅で鉢盛の刺身や仕出し料理を食べたという。会費については「出された料理を食べただけ」「会費は支払っていないですよ」などと話している。

 公職選挙法が認めているのは、選挙期間中に運動員と労務者に供される食事のみ。これ以外の選挙に関する飲食提供は、同法が禁じる買収行為(供応接待)にあたり、違反した場合は“3年以下の懲役もしくは禁錮又は50万円以下の罰金”と規定されている。選挙後に行われた浪瀬議員側の「打ち上げ」では会費の徴収が行われておらず、一人当たり数千円分の料理が無償で振る舞われた形。料理や食材を「選挙運動費用」として支出計上しているものの、同法違反に問われる可能性が高い。

■取材拒否
 選挙後の飲食提供は、違法な供応接待ではないのか――。16日、事実関係を確認するため浪瀬氏本人と出納責任者である浪瀬氏の子息を数回訪ねたが不在。子息の会社関係者と議会事務局に連絡を取りたい旨を伝え、記者からも度々電話を入れてみたが、19日朝の出稿までに連絡はつかなかった。事実上の取材拒否と見られる。

 本土最南端に位置する南大隅町を巡っては、電力業界関係者からの飲食・デリヘル接待疑惑が浮上した森田俊彦町長が取材から逃げ回る事態となっている他、町議会が遊興目的と見られる委員会視察を繰り返していたことも判明している。



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