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接待疑惑の南大隅町 弁護士主導で取材拒否

2017年5月10日 07:50

1-20170411_h01-01.jpg 核関連施設の誘致に絡み電力業界関係者から接待を受けていた鹿児島県南大隅町の森田俊彦町長。事実関係について確認を求めたHUNTERの文書取材に対し同町は9日、正式に回答を拒否する方針であることを明らかにした。
 公費出張先での破廉恥行為を、組織ぐるみで隠そうとしている証拠。歪んだ町役場の実態に、町民の間から批判の声が上がっている。(写真は南大隅町役場)

■だんまり決め込む森田町政
 森田町長に接待を行っていたのは、東京都内に本社を置くO社。O社の役員によると、森田氏は町長に就任した平成21年以降、公務で東京出張するたびO社側から高額な飲食やクラブでの遊興といった接待を受け、ホテルの自室で性的接待まで受けていた。支払いは、すべてO社側。森田氏は、一度も支払ったことがないと役員が明言している。

 O社側の証言を得たHUNTERは、今年3月21日に事実確認を求めるため森田氏に質問書を郵送。電話で取材文書と同じ内容を町長本人に伝えていたが、回答はなかった。そのため先月18日、改めて南大隅町役場にFAXで質問書を送付。森田町長が接待を受けたのが公務出張先だったことから、疑惑について自治体としての説明責任を果たすよう求めていた。

 9日、改めて文書取材に対する回答を求めたところ、同町総務課は「顧問弁護士に相談したところ、回答する必要はないと言われている」。回答しない理由や、顧問弁護士が南大隅町の顧問なのか、町長の顧問なのか分からない内容だったため確認したが、町側は即答できなかった。行政機関が取材を受けて、弁護士に相談するのは異常事態。嘘つき町長が歪めた町政が、役場まで蝕んでいる。

 辞職がかかる重大疑惑にだんまりを決め込む森田町政――。町民からは、厳しい批判の声が上がっている。
――回答拒否ですか?もう、開いた口が塞がらない。接待が事実なら、町の恥だ。事実関係の確認を求められたらきちんと答え、自ら進んで潔白を証明するのが普通。接待が事実なのか間違いなのか明らかにせず逃げ隠れするようなら、破廉恥な行動を認めたようなものだろう。ましてや税金を使った出張先でのこと。納税者である町民のためにも、疑惑を晴らす努力をすべきだ。できないというなら、辞職するべきだろう。(南大隅町在住 50代男性)

■町民団体が公開質問書提出
 森田町政に対する町民の視線は厳しくなる一方。9日には新たに発足した町民団体が同町に公開質問書を提出し、①接待疑惑を報じたニュースハンターの配信記事の内容は事実か否か ②事実でないとするなら、その証拠を示せるか ③記事が事実であると証明された場合、どう責任をとるか の3点について、町長に回答を求める事態となっている。



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