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核ゴミ町長 デリヘル接待の全貌 -歪む鹿児島・南大隅町-

2017年4月19日 08:05

20170411_h01-01.jpg 平成19年、鹿児島県南大隅町の有力者たちが「高レベル放射性廃棄物最終処分場」(核ゴミ処分場)の誘致に動き、原子力発電環境整備機構(ニューモ NUMO)の人間を呼んで説明会を開いた。驚いた町民による核ゴミ反対運動が激化し、計画は頓挫。いったん沈静化した処分場問題だったが、25年になって核ゴミ絡みの疑惑が持ち上がる。発端は、「モーターボート」と「委任状」を巡る噂。実態を暴いたHUNTERやTBSの報道で一度は追い詰められた森田俊彦町長だったが、議会多数派と組み、嘘と詭弁で町民を黙らせていた。
 一連の騒動から4年。町長が議会で否定した「接待」の全貌が明らかとなり、デリヘル嬢をホテルに招き入れていたことまで明らかとなった。これまでの経緯と、接待を行った電力業界関係者の証言を掲載する。

■疑惑の発端・モーターボートと委任状
 町長は森田俊彦氏。商工会長から町長に転身し、2期目を目指す選挙の直前だった。南大隅町に核関連施設の誘致を図ろうと動いていた東京の船舶リース会社社長H氏からモーターボートをもらい、同社長に核ゴミ処分場に関する念書の類を渡したとの疑惑。HUNTERは町長室で2回森田氏に取材し、友人から借金のカタに取ったという説明が嘘であることや、付き合いがないと言っていたH氏と頻繁に会っていたことを暴いていた。選挙後、TBSの報道番組で、町長がH氏あてに核関連施設誘致に関する「委任状」を出していたことまで明らかとなり、「嘘つき町長」は全国区になっていた。写真が、問題のモーターボート。その下が、委任状の全文と、実物の委任状にある署名及び町長の公印。 20130228_h01-02-thumb-280x193-6494.jpg

 私は、上記の者を代理人と定め、つぎの権限を委任します。
 下記各号の施設ないしこれらの施設を利用する事業を鹿児島県肝属郡南大隅町に誘致するため、諸関係先との間で折衝・打ち合わせをし働き掛けをする一切の件。
1 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づく特定放射性廃棄物の最終処分施設  
2 核燃料物質又は核原料物質によって汚染された廃棄物の管理施設および埋設施設
4 原子力発電所
5 発電用原子炉に係る使用済燃料貯蔵施設
6 ウラン濃縮工場、その他の核燃料物質加工施設
7 MOX燃料工場、その他の使用済核燃料物質再処理施設
8 濃縮ウラン貯蔵施設及び加工施設
9 上記各号の施設の管理施設及び関連施設

1-委任状.png 電力業界と関係の深いH氏の会社(O社)による森田氏への接待は、上掲の委任状が書かれた平成21年以降、HUNTERやTBSの報道が始まるまで続いていた。飲食、クラブでの遊興、そしてデリヘル接待。胸くそが悪くなりそうな状況が、25年まで4年近くも続いていたことということだ。HUNTERが接待の事実について取材を開始したのが平成25年1月。何度もO社の周辺を調べ、ようやくH氏にたどり着いたのが今年1月だった。当初、頑なに口を閉ざしていたO社サイドが、モーターボート授受に関する真相を語ったのが2月。接待の実務を担当していたというO社の役員がその実態を明らかにした時は、3月半ばになっていた。HUNTERの記者は、何度も電話取材を重ね、東京都内にあるホテルのティールームで直接役員と向き合った。以下、直接取材の概要である。

 記者:電話取材で話された通り、森田町長に女性をお世話されたということで、間違いないか?
 役員:はい。

 記者:それは、いつ頃からのことか?
 役員:22、3年のことだと思います。

 記者:25年頃まで?
 役員:はい。その頃までは、そこそこ、ご連絡をとっていました。

 記者:25年の4月にTBSの報道がありました。ご存知か?
 役員:はいはい。

 記者:町長は、それから後も接待を受けたのか?
 役員:TBSの報道の後は、お会いしていないと思う。

 記者:それまでのことだが、部屋に女性を送り込む場合、どうやって手配していたのか?
 役員:えー、まあ、ネットでデリバリーの店があるので、そこにアポをとって、えー。

 記者:デリバリーヘルス?
 役員:ええ、ええ。

 記者:ネットで検索するのか?
 役員:そうです。即アポとか。まあ、年齢とかスタイルとか出ているので、連絡とって、呼んだということですね。

 記者:何回くらいか?
 役員:そうですねぇ。まあ、(東京に)来るたび(接待が)、あったんで、二桁はいくんじゃないですか。

 記者:10回以上?
 役員:そうですね。

 記者:ここに、森田さんの出張命令書がある。回数的には合致する。
 役員:そうでしょうね。(出張で)来るたんびですから。連絡とって……。

 記者:ホテルは記憶しているか?
 役員:ホテルはですね、○○○○〇ホテル、それから、○○○○麹町、それから○○○ヒルズですね。

 記者:御社の近くばかりだが?
 役員:そうですね。ほとんど。

 記者:女性を送り込むまでの段取りは?
 役員:そうですね。まず食事してですね、(森田氏から)部屋番号聞いてありますから……。(森田氏の素性は)シークレットですから。

 記者:食事は、どんなこところで?
 役員:赤プリ(旧赤坂プリンスホテル)の中ですかね。その後で、飲みに行きましたね。

 記者:どのようなところに飲みにいったのか?
 役員:銀座ですね。○○○ポーリア、オフィス、あ、オフィスは2年ほど前に、店を閉めちゃいましたけどね。

 記者:デリヘル嬢の料金は?
 役員:だいたい4~5万というところですかね。店や女の子によって違いますが。

 記者:料金は森田さんが払う?
 役員:いえいえ、それは、こちらの方でお支払いして……。

 記者:どこで払うのか?
 役員:そうですね、ホテルに入る前に、女の子に表で会って。お金を渡さないと、事は成り立ちませんから。

 記者:部屋の号室はどこで伝えるのか?
 役員:それは、前もって(森田氏から)聞いてますから。こちらから女の子に。

 記者:これは、接待ということでいいか?
 役員:そうですね。まあ、僕なんかは接待と思ってましたね。

 記者:森田さん本人は、接待だと分かって女性を招き入れていたと考えていいか?
 役員:ですよね。

 記者:森田さんは、自分から要求することはあったか?
 役員:いいえ。そこは、阿吽の呼吸で……。電話でお話したように……。私が小指を立てて、“きょうは、どうします?”と聞くと、森田町長は、にっこり笑うという具合でした。いつも。

 核ゴミ処分場誘致への協力をエサに、電力業界関係者にたかった森田氏。今月16日に投開票された南大隅町長選挙の期間中、「核廃棄物の処分場は絶対に造らせない」と叫んでいたが、昨年までは政府関係者に「(処分場を誘致するという)私の志は変わっていません」と語っていたという。嘘つきで破廉恥。南大隅町の有権者は、またしてもこの男に騙された。

*明日の配信記事では、南大隅町長選における森田氏陣営の薄汚い選挙手法と、対立候補に対する異常な妨害の実態を報じる。



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