昨年10月、高島宗一郎福岡市長の発案で進められてきた屋台公募の不透明な選考過程と、市側の一方的な廃業通告に異議を唱えた屋台の女将を、市にぎわい振興課の課長が侮蔑。理不尽な対応に怒った女将が課長の胸ぐらを掴んだことから、市が翌日になって公務執行妨害と傷害で刑事告訴するという“事件”が起きた。
略式起訴され罰金15万円を支払わされた屋台の女将は、職を失う上に経歴にまで傷がついた格好。当然とでも言わんばかりの福岡市だが、明らかに公平性を欠いている。福岡市や市教育委員会は、より弱い相手である子供に一方的な暴行を加えた公務員を、一度も警察に突き出したことがないからだ。(写真は福岡市役所)
■教育現場、暴行の実情
教育現場では、教員が子供の胸ぐらを掴むなど日常茶飯事。子供を骨折させたり、心に深い傷を負わせるような事例が後を絶たない。なぜ福岡市では、役所の身内が守られ、市民が犯罪者に仕立て上げられるのか!野放しとなっている教員の暴力=体罰について、直近3年間の事例を調べた。
福岡市教育委員会への情報公開請求で入手した、市内の小・中学校における平成25年度から28年度までの体罰事案の事故報告書と処分一覧によれば、学校側が市教委に報告を上げた体罰は4年間で計31件。このうち10件に、教員の暴力によって子供がけがを負ったという記述があった。事故報告を読めば、教育上の指導をはるかに超えた暴力の現状が浮き彫りになる。いくつかの事例を、下にまとめた。
ゲンコツ、びんたは一発どころかいずれも複数回。無抵抗の子供を足で蹴り、頭を踏んづける。子供の身体の上で跳ねる。子供の顔面が腫れ、口唇が切れ、骨折、背骨にひび……。教育的な指導の域をはるかに超えているのが分かる。子供に原因があったことになっているが、教員がやっていることはただの暴力だ。しかし、一人も刑事罰を受けていない。“子供が学校に通う以上、刑事事件にしてまで学校側と対立するのは避けたい”――そうした父兄や子供の心理に付け込んで、内部だけの処分に終わるからだ。しかし、刑事訴訟法はこう規定している。
≪官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない≫
■まかり通る理不尽
暴力教師が刑事罰を受けていないことは、市教委の不作為だろう。その一方で、身内の役人の理不尽は棚に上げ、弱い立場で苦しむ市民は平気で警察に突き出す。これが高島市政の正体だ。
度々報じてきた昨年10月に市役所で起きた屋台公募をめぐる「暴行事件」。営業場所が一方的に屋台の公募エリアから外され、廃業を余儀なくされることが確実となった屋台の女将が、ふざけた対応に終始した担当課長の胸ぐらをつかみ、首筋に傷を負わせたとして、刑事罰を受けたというものだ。子供の胸ぐらをつかみ、骨折させたり、傷を負わせたりした教員は、なぜ警察に突き出さないのか!