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「愛国」は悪党の最後の隠れ家

2017年3月16日 09:30

20150623_h01-01t--2.jpg 森友学園問題で注目を集める籠池、安倍、稲田。教育勅語を信奉し、「愛国」を唱えることで、この3人は共通する。都合が悪くなった時に、自己正当化のために「国家」を持ち出すところも、同じだ。嘘で固めた小学校建設も、戦前への回帰も“国のため”。自分は悪くない、というのだから始末に負えない。
 「愛国は悪党の最後の隠れ家」という格言は、どうやらこの連中のためにある。

■籠池泰典
 小学校の認可申請も虚偽、建設費も虚偽、教員リストも虚偽――。森友学園が役所に提出した書類は、嘘とでっち上げのオンパレードだ。運営する塚本幼稚園の子供たちには教育勅語を押し付け、厳しいしつけを行っておきながら、理事長の籠池氏は「常識はずれ」のかたまり。「子供には見せたくない」大人の典型だろう。この人が、教育者であるはずがない。

 持論をまくしたてるばかりで、反省や謝罪は一切なし。自分に非はないと断言し、すべてを批判的なマスコミや政治家のせいにするという卑劣極まりない姿勢には、開いた口が塞がらない。テレビカメラの前に出てくるたびに口にするのは「愛国心」。「国のためにやっている」というのだから、この人の神経はどうかしている。「愛国は悪党の最後の隠れ家」(イギリスの文学者サミュエル・ジョンソン)とは、よく言ったものである。

■安倍晋三
 愛国心、道徳、美しい国とくれば安倍晋三。首相にとっての愛国とは、「国のために個人を捨てる」ということだ。守るべきは「道徳・道義」で、その先には、教育勅語が謳う『一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ』(もし国家に危険が迫れば正義と勇気の心をもって公=国家のために働き、皇室を助けよ)がある。国家主義、全体主義に染まった愛国こそが、安倍の奨励する「愛国」なのである。

 「美しい国」を目指すという首相だが、何が美しくなくて、どのような国が美しいのか、まるで分らない。具象化されている例がないこともない。衆議院議員安倍晋三の公式サイトには、下の写真がある。

1-安倍.png

 田園風景の中で、深く頭を下げる安倍。「瑞穂の国」や「道徳」といった安倍の好きな言葉をイメージさせる構成だが、美辞麗句を並べ立てる政治家に限って、信用できない。安倍のやってきたことを振り返ってみれば分かる。特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、安保法制――。全体主義を押し付ける自民党の改憲案と絡めれば、国家総動員法や治安維持法の時代と通底する危険な状況であると言わざるを得ない。今国会で政府が進める「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が成立すれば、事実上の「特高警察」復活。そうなると、正真正銘の戦前である。

 アベノミクスは、経済政策としては失敗例。アベノミクスで、地方やサラリーマン、個人事業者が潤ったかというと、決してそうではあるまい。アベノミクスで恩恵を受けたのは、一部の株屋と大企業だけ。3本の矢も、新3本の矢も、どこに放たれたのか分からないというのが実情だ。女性が積極的に社会進出するのは素晴らしいことだが、共働きしなければ、生活できない家庭が多いのも確か。待機児童が増える原因は、経済的に余裕がない家庭が増えている証左でもある。

 外遊の度に、何兆円もの血税をばら撒いている首相が、国内で増税をやったことも忘れてはなるまい。一方で、憲法改正への意欲を剝き出しにし、国民を戦争に引きずり込もうとする安倍。悪党以外の何者でもあるまい。安倍もまた、愛国を最後の隠れ家にしている一人なのである。

■稲田朋美
 愛国者・籠池との関係が明らかになった稲田防衛相。籠池のために法廷に出ていたことを忘れるほどの記憶力で、防衛大臣という重職が務めるはずがない。議会での虚偽答弁がまかり通れば、議会制民主主義は成り立たない。閣僚はもちろん議員も辞職すべき重罪だろう。南スーダンに派遣されている自衛隊PKO部隊の「日報」を巡っては、「憲法9条上の問題になるので『戦闘』ではなく『武力衝突』という言葉を使っている」と発言。戦闘を事実と認めながら、ごまかすために衝突と読み替えていることを白状している。頭が悪いのか、国民をバカにしているのかのどちらか。この人もまた、国会で教育勅語を称賛し、公式サイトで「道義大国」を目指すと宣言している(下は、稲田氏の公式サイトの画面)。

1-稲田.png

 森友学園問題が国民に知らしめた「愛国」のうさん臭さ。登場人物たちの最後の隠れ家は、やっぱりそこにある。



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