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漂う民進党 労組依存で存在感ゼロ

2017年3月15日 09:20

12115828_173014296423145_7522307048002050855_n.png 森友学園疑惑の影響で落ちたとはいえ、依然として50%前後の支持率を有する安倍政権。“一強”が続く原因は、安倍氏に取って代わる政治家が見当たらないためだろう。自民党は人材不足。次を狙う石破茂元幹事長にしても岸田文雄外相にしても迫力不足は否めない。
 一方、野党第一党である民進党は、数が少ないにもかかわらず、まとまりを欠く状況。知名度頼みで代表に据えた蓮舫氏だったが、原発政策の転換に失敗したことで、国民との距離感を露呈する結果となっている。民進党の足を引っ張っているのは労組。そして原子力ムラである。

◇党内に原子力ムラの代理人
 今月12日に都内で開催された民進党の定期党大会。蓮舫代表は、総選挙までに「原発ゼロ基本法案」を作成すると表明したが、反原発派からも原発推進派からも、白眼視される有様だ。旧民主党時代に決めた「2030年代原発ゼロ」から目標年限の前倒しを目指す方針だが、自民党との対立軸を作り出そうという蓮舫氏の意気込みは空回り。党大会前に目標年限を「2030年」と断定したことで、党内の原発推進派や支持母体の連合から反発を受け、煮え切らない形の政策提言となった。何かやろうとする度に、党内の対立をさらけ出すのが民進党。旧民主党の時代から、この欠点を残したままとなっている。そもそも、原子力ムラの住人たちと抱き合ったままで、原発ゼロを党是にすることなどできない相談なのだ。

 原発擁護を明確に打ち出している労組といえば、電力会社の社員で組織される電力総連、東芝など原発メーカーの労組が入る電機連合、鉄鋼、造船など基幹産業の労組で構成される基幹労連。このうち電力総連は、原発死守・推進を労使一体で推し進める原子力ムラの構成組織と見て差し支えない。民進党には、電力総連の組織内候補となっている参議院議員が二人。東電労組出身の小林正夫氏と関電労組出身の浜野喜史氏である。

 下は、小林議員のホームページの画面。月ごとに更新される「国会来訪者」のページには、各電力会社の労組が国会見学に訪れた時の写真がズラリと並んでいる。「活動日誌」の画面も、電力労組とエネルギー関係の記事ばかり。蓮舫代表が提起した「2030年原発ゼロ」に、猛反発したのもうなずける活躍ぶりだ。こうなると完全に「原子力ムラの代表」。誰のための議員バッジなのかと、聞きたくもなる。

1-小林.png

 次は、浜野議員のホームページの画面。アップされている同氏の印刷物には、「原発推進」という同氏の思いがありありと示されている。(赤い矢印とアンダーラインはHUNTER編集部)
 
1-浜野.png

 ≪私が皆さんから与えられた役目の一つに、職場の仲間から寄せられた意見を踏まえて原子力規制委に問題提起をし、規制行政の向上によって国民の原子力への信頼を回復することがあります。≫『職場の仲間』とは電力労組の組合員。浜野氏の役割は『国民の原子力への信頼を回復すること』なのだという。あとに続く記述を読めば、「原子力への信頼を回復する」ため、原子力規制行政の質向上、さらには「40年で廃炉」の見直しが必要との立場であることが分かる。つまりは、原発推進。国会活動は、電力業界の声を代弁することに徹しており、この程度の政治家のために税金を払っていることが、ばかばかしくなる。

◇組合政党からの脱却を!
 民進党の支持母体「連合」の神津里季生会長は、原発擁護の基幹労連出身。12日の党大会では、「大変な苦労の末まとめあげた政策を、その後堅持されて今日に至っていると考えている。野党となった今日においても、責任ある対応を引き継がれることが、国民の期待とつながる」と述べ、原発ゼロの前倒しに躍起となった蓮舫代表にくぎを刺した。安易な政策転換は、連合が許さないということだ。

 民進党が原発反対に舵を切れない理由は、党内に前述二人のような電力業界の犬を抱えていることと、連合自体が原発擁護の姿勢を露わにしているせい。労組の支援なしではまともに選挙が戦えない議員ばかりの民進党では、原子力政策で自民党との違いを出すのは困難なのである。連合にしがみついている限り、民進党が大衆政党として党勢を拡大することはあるまい。
 
 小泉純一郎元首相は昨年、「電力関係、原発推進の労組票は50万もない。500万、5,000万の票をどうして獲得しようと思わないのか」と、労組依存から脱しきれない民進党に疑問を呈した。ちなみに、2016年の参院選における小林議員の得票は270,285票。2013年参院選の浜野氏が235,917票で、50万票には程遠い数字。電機連合や基幹労連内の原発推進派を加えても、50万票には届かないと見られている。民進党が取り込まなければならないのは、原発に懐疑的な有権者のはず。いつまでたっても労組依存では、原発ゼロなど夢物語。「存在感ゼロ」にならぬことを祈るばかりだ。



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