鹿児島県の三反園訓知事(写真)が東京出張時に公用車として使っているハイヤーを私的に利用していた問題で、知事側には、「私的利用した事実はない」とする主張の根拠がないことが分かった。
主張の根拠を示すよう求めた質問取材に対する県側の対応から明らかになったもの。県秘書課は、「私的利用はない」という主張を繰り返すばかりでその根拠を示せず、取材への回答を放置する形で逃げを図ろうとしていた。
県政トップによる不正な公費費消は明らか。原発絡みで県民を騙した三反園氏は、県民の一票だけでなく税金まで食い物にしている。
■東京出張でハイヤーを私的利用
これまでに判明している知事のハイヤー私的利用は、昨年7月の知事就任から12月までに、下の計3回。いずれも公務がない時間帯に、新宿・麻布十番・六本木など都内の繁華街をハイヤーで訪れ、千代田区神田神保町にある東京の自宅まで送らせていた。
■逃げる三反園 回答拒否
HUNTERの取材に対し、県東京事務所と秘書課は「用務内容は分からない」と明言。HUNTERは今月8日、私的利用の実態を確認するため、「どのような用件で」「誰と会うために」ハイヤーを利用したのか、県側に確認を求めていた。これに対し、県秘書課が送ってきたのが右の文書。「問い合わせのあったことについて、知事がハイヤーを私的利用した事実はありません」とする、説明責任放棄に等しい内容だった。「(知事の)用務内容は分からない」としながら、「私的利用はない」とする矛盾。「私的利用はない」とする根拠を示すよう、改めて知事あてに下の文面で質問書を送付していた。
≪知事のハイヤー利用について質問書をお送りしたところ、10日夕に回答をいただきました。
「問い合わせのあったことについて、知事がハイヤーを私的利用した事実はありません」との回答でしたが、私的利用をした事実はないとする根拠を、具体的にお示しいただきますようお願い申し上げます。≫
回答期限を過ぎても連絡なし。22日、県秘書課を訪れ同課職員に聞いた。
記者:先日お送りした質問書への回答はどうなっているか? 職員:うち的には、前回お送りした文書がすべてです。記者:根拠を示せない、ということいいか?
職員:いや、あれ以上のものはないと……。記者:根拠はない、ということになるが。
職員:あれ以上のお答えはございません。記者:知事は、説明ができないということ。職員は付いていなかった。東京事務所は分からない。秘書課も分からない。そちらは、そう答えたでははないか。でも、私的利用はないと言う。ならば、その根拠を示すべきではないか。
職員:……。記者:やはり、私的利用ではないのか?
職員:いやいや、それはない。記者:それはないという理由、根拠は何か?根拠が示せていない。
職員:……。記者:もう一度聞く。ハイヤーの私的利用はないと答えられた。それに対し、私的利用はないと回答された。では、根拠を示してくださいとお願いしている。今度は回答がない。根拠はないということでいいかと、確認している。根拠はない、それでいいか?
職員:いや……。記者:根拠というのは、「こういうことをやっていたから、私的利用ではない」という説明だ。それがない。根拠がないということでいいか?
職員:……。記者:結局、根拠はないが「そんなことはあり得ない」ということではないのか?
職員:そうです。あり得ない。記者:だから、あり得ないというだけで、根拠はないということだ。
職員:まあ、その、あれ以上お答えするものはない、ということ。記者:だからその根拠を聞いた。日本語が分かっているのか?
職員:ええ。
記者:だから、根拠はないというのが結論。もう結構だ。
県秘書課の対応は、当然三反園知事の指示があってのこと。ハイヤーの私的利用はないと言い張りながら、証明できないというのが現状だ。突き詰められると「回答拒否」。事を放り出して逃げるのは、まさに三反園流である。原発反対派の票のお陰で、知事の座におさまっておきながら、選挙が終わるとこれを無視し、電話にもメールにも反応しないという非常識。有権者の一票をだまし取り、税金で動く公用車を私物化する三反園氏は、県民を食い物にするとんでもない知事ということになる。