鹿児島県の三反園訓知事が、東京出張の際に「公用車」として使っているハイヤーを、プライベートに利用していたことが明らかとなった。
HUNTERが鹿児島県への情報公開請求で入手した出張関連文書を精査する中で分かったもの。昨年7月末の就任から12月までの東京出張で、少なくとも3回、ハイヤーを公務外の目的で使っていた。1月以降の東京出張については未確認のため、私的利用の回数はさらに増えると見られる。
悪質な公私混同に、県政トップとしての資格を問う声が上がるのは必至。原発を巡る「嘘」で県民を欺いた同氏の素顔が、また一つ暴かれた格好だ。
5か月で3回、公務外使用
昨年7月28日に就任した三反園知事の東京出張は、12月末までに計14回。羽田に到着した後は、ハイヤーを「公用車」として利用している。鹿児島県への情報公開請求で入手したハイヤーの利用明細によれば、14回の東京出張で29回ハイヤーを利用。約1時間だけ乗車した日の9,140円を除き、毎回2万円~9円近くのハイヤー代を支払っていることが分かっている。
ハイヤーの利用明細及び旅行命令書などの公務日程を記録した文書を精査したところ 私的な用件で公用車を利用した疑いがあるのは、8月、9月、10月に1回づつ計3回。いずれも公務がない時間帯に、新宿、麻布十番、六本木など都内の繁華街をハイヤー=公用車で訪れ、千代田区神田神保町にある東京の自宅まで送らせていた。料金は、それぞれ33,500円、34,130円、51,770円となっている。下がハイヤーの利用明細。赤い囲みで示したのが、私的利用と見られる日の記載である。
■県庁秘書課―公務外使用認める
公用車の私的利用ではないのか――。疑わしいケースを明示した上で鹿児島県側に確認を求めたところ、県東京事務所は「東京事務所の職員は知事に随行しておらず、詳細は分からない。随行していたとすれば秘書課の職員」。2日間かけて調べたという県庁秘書課は「指摘の日の状況について調べたが、秘書課の職員は随行しておらず、分からない」と明言。事実上、公務外利用を認めた形となっている。26日、県知事公舎を訪ねたが三反園知事は不在。取材に応じるようメッセージを残したが、出稿までに連絡はなかった。
新宿、麻布十番、六本木といった街での用件といえば、どう見てもプライベート。六本木に行った日は、夜10時、11時頃までハイヤーを使っており、遊びなら悪質な公私混同ということになる。遊びを否定したとしても、私用ならやはり不適切。三反園氏には、ハイヤー代の原資が税金であるという自覚がまるでない。
首長の公用車利用を巡っては、東京都の舛添要一前知事が、公用車で神奈川県湯河原町の別荘に通っていたことや、家族同伴で野球場やコンサート鑑賞に行っていたことが発覚。これが発端となって政治資金疑惑に発展し、知事就任からわずか2年半で辞職に追い込まれている。
*三反園知事の公務外ハイヤー利用については、明日の配信記事で詳細を報じる。