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「市役所に来い」 ― 福岡市屋台担当課長の呆れた対応

2017年2月21日 08:50

市役所 44.jpg 不透明な選定過程に加え、複数の選定委員が選定前に応募者と接触していたことが明らかとなった福岡市の屋台公募。高島宗一郎市長の発案で始められた事業に付き物の「うさん臭さ」が漂う展開だ。不正があった以上、選考自体をやり直すべきだが、福岡市にその考えはない。“責任はあるが、責任は取らない”が高島流である。
 トップの姿勢は職員にも伝播する。ゴタゴタが続く中、屋台担当課長の横暴且つ無責任な対応に呆れ返る出来事があった。
(写真は福岡市役所)

■上から目線で「市役所に来い」
 問題のお役人は、屋台を所管する市観光文化局国際経済・コンテンツ部にぎわい振興課の三笘和弘課長。初めは、「福岡市屋台選定委員会」についての問い合わせた折の対応だった。記者が聞きたかったのは“選定にあたって、屋台応募者が提供しようという「味」を審査したのか”という1点。これだけのことなら電話で済むものと考えたが、課長は「こちらに来ていただかないと話ができない」と言う。昨年、同課が所管する山笠についての取材でも「市役所に来なければ取材に応じない」という対応だったため、正直“またか”とうんざりした。

 やり取りを要する取材ならまだしも、「味の審査」の有無を回答するため市役所に呼びつけるというのは、いささか横暴が過ぎる。翌日、強く抗議するとケロリとして「他にもご質問があるのかと思った。暴行事件まで起きていますから、いろいろ聞かれるのかと……」。前日の話を忘れたかのような態度だ。結局、「味の審査はしていません」で事が済んだが、この時の課長の一言が引っかかった。

■支離滅裂
 「暴行事件」とは穏やかではない。屋台絡みの事件とはいかなるものか?誰が被害者で、加害者はどんな人か?気になっていたため、先週末、にぎわい振興課に出向き“三笘課長が漏らした暴行事件についてお話を聞きたい”と、職員に取材の申入れを行っていた。

 20日、こちらから連絡を入れたところ、三笘課長はこれまで同様「こちらに来ていただかないと話ができない」。“事件の概要を聞くだけのことで、わざわざ市役所に呼びつけるのか”と抗議したところ、「私がケガをした件でしょう」という発言が飛び出した。暴行事件の被害者は、課長本人だったというわけだ。

 屋台を巡っての職員暴行なら、顛末について察しがつく。課長の対応に怒りを覚えた応募者がいて、つい手を出したというところだろう。暴力は絶対に容認できないが、この課長の態度には、誰だって腹が立つのは請け合いだ。“当事者は三笘さんだったの?”――。次に返ってきた答えは「こちらに来ていただかないと話ができない」ではなく「個人情報ですから、この件についてはお話しできません」だった。

 支離滅裂。無茶苦茶な話だ。課長は、“暴行事件について話を聞きたい”記者の用件を聞いた上で、「市役所に来い」と明言した。にもかかわらず、「その件については話せない」と平然と言う。のこのこ市役所に出向いていれば、その場でこのやり取りになっており、記者は無駄足を踏むことになる。これほど人をバカにした話はあるまい。この課長、税金で飯を食っている立場であることがまるで分っていない。当然、課長を怒鳴りつけた。すると「そういうことなら、おいでいただかなくて結構です」――。勘違いもここまで来れば病気。課長は、市役所を自分の家と間違えているようだ。行く、行かないを、常識が分からない木っ端役人に指図される覚えはない。

■不適切な取材対応
 下は、福岡市への情報公開請求で入手した報道課の引き継ぎ資料(一部分)である。≪事業内容等に関する取材で正確に回答を要する場合≫と≪上司に正確な報告要する場合≫には、≪必要に応じて文書でのやり取り、録音を行う≫よう周知依頼しているとある。

1-資料.jpg

 全体を読んだが、“記者を市役所に呼んで話を聞け”というお達しなど出ていない。三笘課長の対応は、明らかに不適切。心得違いであることを指摘しておきたい。もちろん、この程度の役人に、福岡の屋台文化を語る資格はない。



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