昨年11月に行われた鹿児島市長選挙の際に森博幸鹿児島市長が業者側から多額の寄附を受けていた問題で、市長陣営が、市選管に提出した選挙運動費用収支報告書を大幅に修正することが分かった。選挙資金に関するHUNTERの質問取材に、市長の事務所が答えた。
修正の理由について市長の事務所は、資金管理団体で受けた寄附を事務処理上のミスで選挙運動費用に計上したとしており、90カ所前後の修正が行われるものと見られる。
修正は90カ所前後
市長選挙に関する森市長への寄附は、全体で103件。このうち96件が業者側からの寄附で、さらにそのうちの70件以上が建設関連企業の代表者による寄附だった。大半が鹿児島市の指名業者で、市と請負契約関係にある建設会社の代表17名からの寄附もあった。公職選挙法は、地方自治体と請負その他特別の利益を伴う契約を結んだ者に、当該自治体の首長や地方議員の選挙に関する寄附を禁じており(特定寄附の禁止)、業者側からの寄附の一部がこの規定に抵触する疑いが出ていた。
選挙資金に関する疑問がもう一点。森市長の選挙運動費用収支報告書によれば、市長選挙での現金収入は1,984万5,000円で、支出は約466万円。1,500万円以上の選挙余剰金が生じており、そっくり市長の懐に入った計算となっていた。
HUNTERは先月25日、選挙余剰金の扱いと特定寄附への見解を質すため市長あてに質問書を送付し、回答を求めていた。市長の事務所からの回答は2月3日付。回答書や事務所関係者の話によると、事務処理上のミスで、市長の資金管理団体に入金された寄附を誤って選挙運動費用として計上していたといい、大半が選挙に関する寄附ではなかったと説明している。集めた寄附が資金管理団体のものであるため、報告書にある選挙余剰金は市長に渡っていないという。市長側は、収入の内訳を精査した上で数日中に選挙運動費用収支報告書を「改める」としており、修正は90カ所前後になると見られる。
鹿児島県の首長選挙を巡っては、HUNTERの追及を受けた三反園訓鹿児島県知事が、昨年7月に行われた鹿児島県知事選挙の選挙運動費用収支報告書を150カ所以上修正しており、知事と県都の市長が、そろって選挙収支の杜撰さを露呈した形となっている。