鹿児島県の三反園訓知事(写真)が、航空機を使った県外出張の度に、最上級のプレミアムクラス(ANA)を利用していることが明らかとなった。
プレミアムクラスは、通常の航空料金を大きく上回る豪華なシート。4選を目指して敗れた伊藤祐一郎前知事時代から続く出張形態だというが、県政刷新を訴えて初当選した政治家の行動とは思えぬ愚行に、県民から落胆の声が上がりそうだ。
国内はプレミアムクラス、海外はビジネス
鹿児島県への情報公開請求で入手した旅行命令書によれば、三反園知事の就任から12月中旬までの、航空機を使った県外出張は14回。香港、名古屋がそれぞれ1回で残り12回は東京となっている。異常に多い東京行きについて県秘書課は、「就任早々だからではないでしょうか」。知事を庇う姿勢を見せるが、伊藤前知事の東京出張よりはるかに多い回数となっている。
12回の東京出張は、全てプミアムクラスか同等の座席を使ったもの。通常のエコノミークラスよりかなり割高になるため、信じられない金額を費消している。航空券代は12回分計126万7,270円。格安航空券や割引を利用した場合に比べ、2倍から3倍かかった計算だ。日帰り出張が2回あるが、この時もプレミアムクラスだった。宿泊先は、知事の東京の自宅。必要ないと思われるが、旅費規程に従って、宿泊料6,360円が支払われている。
奄美、名古屋への出張もプレミアムクラスと同等のシートを利用しており、鹿児島‐奄美往復で47,950円、名古屋往復で65,020円を支出している。
海外出張は1回。香港での用務だったが、ビジネスクラス利用で230,000円。エコノミー利用に比べ2倍以上の料金だった。
報道記者とは思えぬ姿勢
三反園知事は、元報道記者。テレビ朝日のコメンテーターも務めていていた人物だ。報道に身を置く立場としては、政治や行政について厳しいコメントを発していた人物が、税金を原資とする公務出張で豪華なシートに身を委ねる姿勢は理解できない。しかも、知事が選挙戦で訴えたのは「県政刷新」。無駄な公費支出を抑える努力はすべきだろう。繰り返すが、プレミアムシートの原資は県民の血税なのだ。
ドーム球場、アウトレットモール、サッカースタジアム……。これらは、県政刷新を訴えた三反園氏が、知事就任後に意欲を見せる諸施策だ。不動産コンサルタント会社の代表に事務所を仕切らせる知事に、利権の臭いが付きまとう。脱原発の仮面も剥げた。政治とカネの問題を巡っては、取材から逃げ回るというお粗末さ。残念ながら、鹿児島県民の選択は、間違いだったと言うしかない。