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鹿児島市長に業者側選挙資金 公選法違反の疑い

2017年1月25日 08:00

1-鹿児島市長選挙収支.jpg 昨年11月に行われた鹿児島市長選挙で4選を果たした森博幸市長が、市の事業を受注する業者側から、多額の選挙資金を集めていたことが分かった。
 96件に上る業者側寄附のうち、70件以上が建設関連企業の代表者から。さらに、この内の59件は「鹿児島市管工事協同組合」に加盟している業者側による寄附だった。組合が、組織的に市長の選挙資金を支援した可能性が高い。
 公職選挙法は、地方自治体と請負その他特別の利益を伴う契約を結んだ者に、当該自治体の首長や地方議員の選挙に関する寄附を禁じており(特定寄附の禁止)、業者側からの寄附の一部はこの規定に抵触する疑いがある。

寄附の大半、業者側から
 森陣営が鹿児島市選挙委員会に提出した選挙運動費用収支報告書によれば、市長選挙での現金収入は1,984万5,000円で、市長本人の自己資金は1円も入っていない。現金による市長への寄附は103件。このうち96件が個人からの寄附で、医師と鍼灸師からの2件を除いた残りすべてが鹿児島市内に本社を置く企業の代表者からのものだった。7件は、医師会や商工会などの業界団体が設立した政治団体からの寄附となっている。下の表に、収入の内訳をまとめた。

鹿児島市長収入2-1.jpg 業者丸抱えの選挙に驚くしかないが、問題は寄附の内訳。確認できただけで、96件の寄附のうち76件が建設関連業者からのもので、そのほとんどが市の指名業者。とくに、建設関連76件のうち59件は「鹿児島市管工事協同組合」に加盟している業者側からの寄附だった。同組合側からの寄附は一人5,000円~50,000円。57社59人(代表の妻2名)で総額114万5,000円に上る。

市管工事協同組合、加盟の7割超が寄附
 組合側による寄附は、昨年11月1日に13件、7日に15件、8日に8件など同じ日に集中したケースがあり、組織内で取りまとめたともとれる。一般組合員の寄附は大半が10,000円か20,000円で、組合の理事長が50,000円、副理事長2人が30,000円となっていた。鹿児島市管工事協同組合のホームページによれば、同組合の会員企業は79社。7割以上となる57社(59人)が、市長に寄附を行った形だ。他の業界団体に同様の動きはなく、市管工事協同組合だけが突出して市長への金銭支援を行っていた。

寄附「していない」と断言する業者
 23日、組合の役員や加盟業者と連絡をとろうと試みたが、いずれも返信がなく、ようやく電話に出た1社の代表者に話を聞いた。

 記者:取材でお電話しました。
 代表:どちらの会社ですか?県外ですよね?

 記者:福岡の合同会社HUNTERと申します。
 代表:取材とか、そういうのはお断りしているので。

 記者:代表ご自身が、鹿児島市長選で市長に寄附をされている件ですが。
 代表:いや、いいです。私、市長に寄附なんてしてません。

 記者:されたことになっていますよ。
 代表:いえ、してませんよ!

 記者:去年の11月7日。1万円寄附されたことになっていますよ。
 代表:そういうのは、どこから情報を得るんですか?

 記者:市長の選挙運動費用収支報告書に記載があるんですが。その件で、実際に寄附をされたのかどうかの確認をお願いしたいと……。
 代表:そういうの、お答えする必要ないでしょう。何ですか、それ。訴えますよ!警察に言っていいですか!

 意外な興奮ぶりに驚いたが、代表者は当初、寄附について「していない」と断言。選挙運動費用収支報告書に明記されていることを告げたとたん、警察に訴えると威圧してきた。本当に寄附をしていないか、事実を知られて慌てたかのどちらか。訴えるのは自由だが、警察に話して困るのが組合側であることは間違いない。

 公職選挙法は、第199条で次のように規定している。

(特定の寄附の禁止)
 衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国と、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては当該地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない。
 

 森鹿児島市長に寄附をした建設関連業者は、市管工事協同組合のメンバーも含めてほとんどが市の指定業者。公選法の規定に従えば、選挙に関する寄附はするべきではない。事実、寄附を行った業者の中には、昨年の市長選前後で、鹿児島市の工事を受注しているケースがある。

(以下、次稿)



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