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三反園知事選挙収支 “虚偽報告”指摘で大幅修正
選挙余剰金2,800万が130万に

2016年12月 9日 08:45

1-鹿児島知事.png 三反園訓鹿児島県知事(写真)の陣営が、虚偽報告が疑われていた選挙運動費用収支報告書を、大幅に修正していたことが分かった。
 同陣営による修正は、支出、収入それぞれの項目で計22件。公職選挙法違反につながる可能性があった寄附金や事務所費を「誤記載」として削除し、収入・支出の総額を書き換えていた。収入の記載を2,700万円あまり削除したことで、報告書上では2,800万円に上っていた選挙余剰金が百万円台に減っている。
 HUNTERの報道後、週刊誌の取材などが過熱。虚偽報告の疑いが濃くなったことを受け慌てて修正に踏み切ったものと見られるが、選挙収支の違法性は消えていない。

収入2,723万円を削除
 三反園陣営の出納責任者が、鹿児島県選挙管理委員会に提出されていた選挙運動費用収支報告書の修正を行ったのは今月6日。収入の項目で8件、支出については14件を削除していた。収入で削除されたのは、三反園知事の資金管理団体「みたぞのさとし後援会 三訓会」から寄附されたことになっている以下の8件である。

 ・5月26日 210万円
 ・5月30日 463万円
 ・6月6日  520万円
 ・6月13日   90万円
 ・6月14日 500万円
 ・6月27日 200万円
 ・6月28日 500万円
 ・7月15日 240万円

 削除分は計2,723万円。これによって、当初記載の収入総額4,963万円は、2,240万円に変わっている。

激減した選挙余剰金
 一方、支出で削除されたのは選挙事務所に関する費用。県選管に設置届が出された三反園陣営の選挙事務所は、鹿児島市内と指宿市内の2カ所だけだったが、収支報告書には「霧島事務所家賃」、「鹿屋事務所」、「川内事務所家賃」、「姶良事務所」などの家賃や仲介料、駐車場代などが支出として計上されていた。鹿児島、指宿以外は後援会事務所。修正(削除)しなければ公職選挙法に抵触する状況となっていた。

 三反園陣営は、後援会事務所関連の支出14件を削除。支出総額は、2,440万3,245円から2,316万3,671円に訂正されている。支出計上が義務付けられているポスター代などの公費負担金分206万7,930円を引くと、実質的な支出は2,109万5,741円となる。収支報告書上の収入は2,240万円で支出は2,109万5,741円。選挙余剰金は、約2,800万円から130万4,259へと激減した形だ。HUNTERは、これまでの配信記事で巨額の選挙余剰金が実は存在しておらず、虚偽報告であることを報じていた。

それでも虚偽報告の状態
 三反園陣営による選挙運動費用収支報告書の修正は、今回で3度目。まず、8月に「みたぞのさとし君を励ます会」から受けたとしていた3件の寄附を「みたぞのさとし後援会 三訓会」からの寄附に変更。HUNTERが選挙資金収支についての疑惑を報じた直後の10月には、記事で不適切と指摘した知事選告示前のポスティング代や集会会場費など3件を削除していた。公選法違反が明らかな「選挙事務所費」が残った形となっていたため、3度目の修正を余儀なくされたと見られる。

 2,700万円もの収入を“なかったこと”にし、公選法違反での摘発を逃れたつもりだろうが、知事の収支報告書の記載は依然として虚偽報告の状態だ。陣営は、県選管に4度目の修正を通知しているというが、それでも“最終的な選挙収支報告にはならない”ということを予告しておきたい。取材に対し、沈黙を通す三反園氏。原発への対応で県民を裏切った男は、「政治とカネ」で知事の座を失う可能性が、ある。



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