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三反園知事陣営が助成金詐取 選挙カー運転手報酬で不正

2016年11月 4日 06:45

20160703-6.jpg 7月の鹿児島県知事選挙で初当選した三反園訓氏の陣営が、選挙公営制度の助成金を詐取していたことが明らかとなった。
 詐取された金額は212,500円。三反園氏側は、選挙カーの運転業務に関する契約を結んだ男性が実際には業務を行っていないことを承知の上で請求を起こし、男性の口座に県費を振り込ませていた。
 助成金に関わった知事以外の人間すべてが事実関係を認めており、不正が行われたのは明白。詐欺罪に該当する事案であることから、契約当事者である三反園知事の対応が注目される。
(写真は三反園氏の選挙カー。みたぞのさとし後援会HPより)

不正請求、契約者は知事本人
 「選挙公営」は、選挙運動の機会均等を図る目的で、国または地方公共団体が候補者の選挙運動費用の一部を負担する制度。鹿児島県知事選挙においては、≪鹿児島県議会議員又は鹿児島県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用並びに選挙運動用ビラ及び選挙運動用ポスターの作成の公営に関する条例≫の規定に従い、選挙運動用ポスター、選挙運動用ビラ、選挙運動用自動車に関する費用が、候補者と契約を交わした法人または個人に支払われることになっている。

 このうち、三反園陣営の不正が明らかになったのは、条例で1日あたり12,500円までの支給が認められている「選挙運動用自動車の運転手」に関する契約。三反園氏側は、県内在住の男性と運転手契約を結び(下、左の文書参照。黒塗りは県選管)、県選管に提出。選挙期間中、この男性が運転業務を行っていなかったことを承知した上で、契約者男性から県に契約金の請求をさせた形で(下、右の文書参照。黒塗りは県選管)、17日分の満額となる212,500円の助成金を男性の口座に振り込ませていた。請求書の提出は三反園氏の事務所が行っており、県を騙す意図があったのは明白。県選管への情報公開請求で入手した下2枚の文書からわかる通り、公費助成に関する契約書には三反園氏本人の署名・捺印があるため、当選した知事が公金詐欺の片棒を担いだ格好だ。

1-契約書.jpeg 1-請求書.jpg

不正の認識 
 三反園氏と契約を結び、助成金の振り込みを受けた男性は、HUNTERの取材に応え次のように話している。

 ――選挙カーの運転は、1回もやっていません。三反園事務所にいたのは、三反園さんの励ます会が開かれた日(5月29日)まで。その日に、お世話になりましたと、皆さんにご挨拶しましたから。選挙前に、『選挙カーの運転を頼むかもしれないので、契約書を作っておきたい』と言われ、ハンコを押した記憶はあります。選挙の頃は、自分の新しい仕事が忙しくなっていましたから、ポスター貼りくらいは手伝いましたが、車の運転などはやっていません。選管から振り込みがあるとは聞いていましたが、金額を見て驚きました。こんなにもらっていいのかと……。振り込まれたお金は、使っていません。

 実際に三反園氏の選挙カーを運転していた別の男性に取材したところ、17日間の選挙期間中14日間を一人で担当していたと証言。選挙前、選管に契約書を出すからということで契約書類にハンコを押し、県から報酬の振り込みがあると言われて待っていたが3か月経っても振り込みがなかったため、何度も事務所関係者に催促したとしている。
 
 一方、契約書及び請求書の作成に携わった事務所関係者は、「助成金の請求段階で契約を結んだ男性が選挙カーの運転を行っていなかったことを知っていたが、事務所内のゴタゴタが続いていたため契約の変更を怠り、やむなく当初契約の男性名で請求書の提出を行った。(県への)返金の必要があることは理解している」と不正の認識があったことを認めている。

問われる知事の対応
 HUNTERは2日、鹿児島県庁秘書課を通じて、三反園知事に公金詐取についての質問書を提出。知事の後援会事務所にも同様の質問書を届け回答を待ったが、出稿までに連絡はなかった。公金詐取は犯罪。契約当事者である知事の対応が問われている。

 選挙公営の助成金を巡っては、2006年に福岡市長選挙で初当選した市長陣営による選挙カー絡みの詐取事案が発覚。市長陣営が過大に助成金を請求し、業者に現金をバックさせていながら市長が自陣営の業者に返金命令を出すという前代未聞の展開となり、怒った業者が市長室に乗り込むという騒ぎに発展している。



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