三反園訓鹿児島県知事の陣営が、虚偽記載が疑われていた選挙運動費用収支報告書を、先月26日に修正していたことが分かった。
修正は3か所。HUNTERの報道で、選挙運動ではなく「後援会活動」の費用だったと指摘したものを削除していた。領収書などの証明書類から明らかになった不適切な記載だけを優先しており、後援会の事務所費や信ぴょう性に疑問が出ている収入額などの修正は行われていない。
虚偽報告への対応を聞いた取材には応えず、こっそり修正した形。姑息な手法は、知事の政治姿勢を反映したものと言えそうだ。
(写真は三反園知事。みたぞのさとし後援会ホームページより)
修正は先月26日―たった3件
鹿児島県選挙管理委員会に確認したところ、三反園陣営が提出した選挙運動費用収支報告書の修正が行われたのは先月26日。同陣営の出納責任者が選管を訪れ、次の3件の支出について削除を申し出たという。
・DMなどの宅配を行っている業者に「ポスティング業務」(配布日「6月16日~6月17日」。1枚3円の単価で20万6,784枚 )
・姶良市で開かれた後援会集会の会場費14,170円(支出日6月18日)
・霧島市で開かれた後援会集会の会場費21,210円(支出日6月19日)
鹿児島県知事選の告示日は6月23日。ポスティング業務は、6月16日~6月17日の2日間に、1枚3円の単価で20万6,784枚の後援会チラシを配布する内容。他の2件は後援会の集会で使用した会場の費用だったことが分かっている。(下は、修正前の報告書該当部分。赤いアンダーラインはHUNTER編集部)
報告書には、選挙とは関係のない「霧島事務所」「鹿屋事務所」「川内事務所」といった後援会事務所の家賃や工事費などが記載されており(下が報告書の該当部分。赤いアンダーラインはHUNTER編集部)、こちらは未修正。約2,700万円に上る選挙余剰金も、上記3件の支出を削除したことで増えた格好となっており、虚偽記載の疑いが残ったままとなっている。
HUNTERは先月12日、三反園知事に対し報告書記載の支出欄に後援会活動の支出が多数ふくまれていることを指摘。事実関係や今後の対応について文書取材を行っていたが、半月を過ぎても知事側の回答はない。取材を無視して、こっそり修正――元ジャーナリストとは思えぬ姑息さだ。