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三反園鹿児島県知事に問われる「説明責任」

2016年10月26日 10:00

1-ちじ.png この人は本当にジャーナリストだったのか?7月の鹿児島県知事選挙で初当選した三反園訓氏が、経歴と資質に疑念を抱かせるような対応で傷口を広げている。
 選挙後の不義理がたたって後援会組織は事実上の崩壊。政治とカネの問題を巡る質問取材には、ダンマリを決め込むというお粗末な展開だ。政治家の説明責任について厳しく論じてきた元記者とは思えぬ姿勢に、縁切り宣言する支持者が続出する事態となっている。
(写真は三反園知事。みたぞのさとし後援会ホームページより)

離反者続出の後援会
 三反園氏の関連政治団体は、総務省届出の資金管理団体「みたぞのさとし後援会 三訓会」(以下、「三訓会」)と鹿児島県選管届出の「みたぞのさとし後援会」(以下、「後援会」)。前者はカネ集めが主目的、後者は地元鹿児島での政治活動を行うための団体だ。両団体の設立から現在までの流れを、一覧表にまとめた。

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 当初、鹿児島の後援会を資金管理団体に指定しながら、数日で取消し。後に資金管理団体となる東京の三訓会は、三反園氏の自宅を主たる事務所として設立された「鹿児島を改革し、元気にする会」を名称変更した団体だった。資金管理団体の代表は“政治家本人”でなければならないが、選挙向けの後援組織には地元の有力者などを「後援会長」として充てるのが普通。三反園氏本人が後援会の代表を続けている現状は、極めて異例で、選挙後、一方的にクビを宣告されたという後援会長が選挙中だけの存在だった証拠でもある。

 礼節を欠いた知事側の対応を受け、後援会分裂の動きが加速。選挙戦主力部隊の大半が、知事と距離を置き始めているのが現状だ。先週、三反園事務所が開いた鹿屋・大隅地区の集会は、業者とみられる参加者ばかり。熱心に三反園氏を支援してきた同地区の支持者らは、会合が開かれることさえ知らなかったという。

政治とカネで疑惑続出
 支持者を愚弄した形の三反園氏だが、「政治とカネ」を巡る問題にも鈍感だ。三反園陣営が知事選後に提出した選挙運動費用収支報告書によれば、三反園氏の懐には余剰金として2,700万円の現金が入った形となっている。政治資金規正法の規定で、全額を政治団体に寄付するわけにはいかず、大半を個人のカネとして保有せざるを得ない状態。巨額の選挙余剰金をどう処理するのか――。本当に2,700万円もの余剰金が出たのか――。問われているのは、報告書記載内容の信ぴょう性である。

 報告書の記載にかけられた虚偽の疑いは、依然として晴れていない。報告書の支出欄には、明らかに「後援会活動」と判明したものが数多く記載されており、最悪の場合は50件以上になる見込みだ。修正がなければ「事前運動」の証拠。余剰金の扱いを含め、選挙資金絡みの疑問点について文書取材を行っているが、知事は反応を示していない。複数の後援会関係者によれば、知事は、聞かれたことに答えるつもりがないのだという。

 三反園氏の前職は「ジャーナリスト」。テレビ朝日の記者として政治の現場を取材し、ニュース番組では政治家を斬るコメンテーターだった。「説明責任」の大切さを説いてきたはずの三反園氏が、自身に向けられた疑惑には沈黙――。言行不一致の姿に、ジャーナリストの面影はない。側近政治が招いた後援会の分裂劇、選挙資金を巡る疑惑……。三反園氏は、自らの言葉で「説明責任」を果たすべきだろう。

 つい最近まで三反園氏を信じていたというある後援会関係者は、次のように話している。
――「後援会内部のゴタゴタについて、いろんな人から実状を聞きました。恩知らずと言うしかない後援会長への仕打ち。支援者への冷たい対応。反原発の人たちとの断絶。すべて県民への背信行為でしょう。知事を操っているのは元議員秘書のB。私もずっと気になっていましたが、知事は、なぜかBの言いなり。県政トップとしては情けないほど、Bを恐れていました。カネ絡みなのかもしれませんが、これでは独裁者と言われた伊藤さん(祐一郎前知事)以下。もう(知事の)顔も見たくない」(鹿児島市在住:50代主婦)



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