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鹿児島市バス事業民間委託  “目標効果額”でっち上げの可能性

2016年10月 4日 08:45

交通局.jpg 鹿児島市交通局が、平成24年度から実施している市営バス一部事業の民間委託効果額が、当初の計画目標を大幅に下回っていることが明らかとなった。
 当初計画と比較した場合、委託開始から26年度までの3年間で、効果額は目標の6割。25年度に計画を見直し目標額を当初の半分ほどに減らしたものの、26年度はその数字さえ未達成となっていた。
 効果額をめぐっては、実際の数字に市からの補助金を加算し水増し公表していたことも分かっており、民間委託の効果を宣伝してきた市側の姿勢に疑問符が付く状況。民間委託を実現させるため、当初の目標効果額をでっち上げた可能性も否定できない。

過大な目標効果額、1年で見直し
 下は、鹿児島市交通局が市電・市バスの経営効率化を目指し、平成23年に策定した「鹿児島市交通事業経営健全化計画」の一部、目標効果額を示した箇所だ。

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 市営バスの一部事業(北営業所、桜島営業所)を民間のバス会社に運営委託した場合の「効果額」は、平成24年度が1億5,200万円。以下、25年度が1億5,300万円、26年度1億5,400万円、27年度1億5,500万円と年を追うごとに効果額が増す計画となっていた。

 ところが、平成24年度の実際の効果額は1億1,060万円。計画目標を4,000万円以上下回る事態となり、交通局は25年度中に計画を大幅に見直す作業を行っていた。見直しの結果が下。市バス民間委託の効果額は、26年度の当初目標額1億5,400万円が8,400万円へと大幅に引き下げられ、27年度8,000万円、28年度7,000万円と、当初計画とは逆に年度ごとに効果額が減る形となっている。この段階で、当初計画の杜撰さが明らかになっていたということだ。

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失政の証明
 民間委託は失敗――。これを裏付ける証拠が次の表だ。鹿児島市交通局が公表している「効果額」と、北営業所・桜島営業所の運営委託を受けた「南国交通」との契約金額の推移である。

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 委託費は上昇の一途。逆に、効果額は減る一方となっている。24年度に約7億1,900万円だった南国交通への委託費は、たった2年で8億円近くにまで上昇。初年度1億1,060万円の効果額が、26年度には7,869万8,000円にまで落ち込んでいた。

 23年度策定の経営健全化計画によれば、24年度~26年度の効果額合計は4億5,900万円。これに対し、実際の効果額は3年度分計2億7,993万9,000円(補助金7,983万2,000円を含む)で、当初計画の6割程度でしかない。計画見直し後の26年度の目標効果額は8,400万円だが、実際には7,869万8,000円で、見直し後の数字さえ達成できていなかった。

 計画の甘さに呆れるしかないが、バス事業の一部民間委託は、23年度の経営健全化計画を前提として実施されたもの。市民に民間委託を納得させるため、市側が目標効果額をでっち上げた可能性がある。



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