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九電 原発停止要請拒否のごまかし策を鹿児島県内で全戸配布

2016年10月 7日 11:40

1-九電配布-2.jpg 三反園訓鹿児島県知事による川内原発の停止要請を拒否した九州電力が、鹿児島県内の全世帯に、実施もしくは実施予定の点検や対策を紹介した「鹿児島県知事からのご要請に対する九州電力の取り組みについて」と題するA4版3枚の文書を配布していることが分かった。同社広報も、全戸配布の事実を認めている。
 九電は、数日前に県内で読まれている新聞各紙に同じ内容の全面広告を掲載しており、莫大な費用をかけての広報作戦を展開中。カネに飽かして自社の言い分をばら撒いている形だが、公表文書には一時停止要請を拒否したことや、その理由は一切記されておらず、“論点ぼかし”は明白。6日に始まった川内原発(1号機)の定期点検後を見据え、原発停止を求める声を抑える狙いがあると見られる。

「一時停止」拒否には触れず
 九電が文書配布で利用しているのは、郵便局のタウンメール。このサービスなら、宛名や住所がなくても、指定地域のすべての世帯に配達が可能だ。配布された文書の冒頭には「鹿児島県にお住いの皆様へ」とある。九電広報に確認したところ、配布対象が県内の全世帯であることを認めている。

 文書のタイトルは「鹿児島県知事からのご要請に対する九州電力の取組みについて」。10月4日に九電ホームページに掲載された公表資料(http://www.kyuden.co.jp/kagoshimarequest.html)を印刷したものだった。両面カラーで、6ページにわたって三反園知事からの要請内容と九電の対応を紹介し、県民の不安軽減に努力する同社の姿勢を示す内容となっている。

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 文書の中で九電は、知事からの要請内容とそれに対する“特別検査”などの「新たな取り組み」と「これまでの取り組み」について詳しく説明。原発の安全性確保に向けて努力する姿勢を強調し、県民への理解を求めた形だ。しかし、列挙された点検内容や対策は原発を運用する電力会社なら当然やるべきことばかり。なにより「停止要請」という最も重要な要請を拒否したことや、拒否の理由については何も記されておらず、記述の多さで「停止要請拒否」をごまかした格好となっている。明らかな論点ぼかし。これでは、鹿児島県民の思いを無視して自社の言い分だけを押し付けたも同然だ。嘘やごまかしは電力会社の常套手段だが、九電の体質は、やらせメール事件を経ても変わっていない。

 九電が「鹿児島県知事からのご要請に対する九州電力の取組みについて」をホームページに掲載したのは10月4日。直後に、同じ内容の全面広告を鹿児島県内で読まれている新聞各紙に出しており、全戸配布は仕上げの広報。莫大な費用がかかっているのは言うまでもない。一連の広報作戦について九電側は、「三反園知事からの『県民の不安を払拭して欲しい』との要請に基づくもの」と説明している。



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