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鳩山大川市長に「政治とカネ」の問題 市長選の100万円はどこから?

2016年9月 5日 08:25

5収支報告書---3.jpg 衆院福岡6区の補欠選挙(10月11日告示、23日投開票)に出馬予定の鳩山二郎大川市長に、「政治とカネ」の問題が浮上した。
 平成25年6月に行われた大川市長選挙の際、市長陣営が大川市選挙管理委員会に提出した選挙運動費用収支報告書によれば、総収入約500万円の内、100万円は「自由民主党福岡県第六選挙区支部」からの寄附。しかし、福岡県選管に出された第六選挙区支部の政治資金収支報告書を確認したところ、該当する100万円の支出の記載はなかった。
 市長陣営や第六選挙区支部が提出したそれぞれの収支報告書は、法律で備え付けが義務付けられた帳簿を転記したもの。「単純なミス」(鳩山陣営の説明)だったとは言い難く、100万円の本当の出所が判然としない状態だ。

事実上、出所不明の100万円
 下は、鳩山市長陣営が大川市選挙管理委員会に提出した選挙委運動費用収支報告書の収入記載ページ。6月28日に、市長の父で今年6月に亡くなった鳩山邦夫元総務相が支部長を務めていた「自由民主党福岡県第六選挙区支部」から100万円の寄附を受けたことが記されている(赤いアンダーラインはHUNTER編集部。画像クリックで拡大)。

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 一方、同支部が福岡県選管に提出した25年分の政治資金収支報告書の「寄附金」の項目には、以下の支出しか記載されていない。

  • 故・邦夫氏の資金管理団体「新声会」に計1,400万円
  • 自民党大川支部に50万円
  • 少年サッカーチームに12万円
  • 久留米市長の後援会に100万円
  • 自民党久留米支市支部に96万円

 この他、同支部の支出のすべてを精査したが、鳩山大川市長に対する100万円の寄附に該当する支出はなかった。

 鳩山市長陣営の“出納責任者”は、亡父・邦夫氏の元政策秘書。第六選挙区支部の“会計責任者”も同一人物だ。鳩山市長が受けたとされる100万円の寄附が、第六選挙区支部の収支報告書に記載がないのは何故か――。元政策秘書に確認を求めたところ、「私のミス」の一点張り。単純なミスで起こり得る話ではないことから、詳しい説明を求め取材の趣旨を文書にして送ったが、「時間をもらいたい」という連絡から3日経っても回答はない。

 公職選挙法は、候補者陣営の“出納責任者”に、すべての収入・支出を記載した「会計帳簿」を備え付けた上で、帳簿記載の内容を「選挙運動費用収支報告書」として当該選挙を所管する選管に提出するよう義務付けている。また、政治資金規正法は政治団体の“会計責任者”に対し、会計帳簿に当該政治団体に係るすべての収入・支出を記録し、「政治資金収支報告書」として都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出するよう定めている。それぞれの報告書には、領収書等の支出を証明する書類の添付も義務付けられている。

 以上の決まりを前提とするなら、まず第六選挙区支部側に、「鳩山二郎」名で出された100万円の領収書が残っていなければならない。さらに、第六選挙区支部の政治資金収支については、法で定められた監査が行われており、弁護士や税理士といったプロの監査人が領収書や帳簿と報告書の不一致を見落とすことはあり得ない。まともな監査が実施されているのなら、同支部が大川市長に100万円を寄附した事実は「なかった」ということになる。一秘書の「単なるミス」で済まさせる話ではあるまい。100万円はどこからのカネか――?鳩山二郎氏は現職の大川市長。陣営が使った100万円の出所について、説明責任を果たす義務があるだろう。

 なお、鳩山市長の収支報告書については記載方法について別の疑義が生じており、報告書の精査を終えた時点で続報を配信する予定だ。



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